林由莉恵
カンナ
中部地方を舞台に、爆弾テロを実行する仮面の少女と、彼女に共感を寄せる謎の青年、彼女を利用しようとするテレビプロデューサーを中心に描くアクション。監督は第10回インディーズムービー・フェスティバルでグランプリ受賞の林一嘉。出演はテレビ『こどもの事情』の林由莉恵、「吸血少女対少女フランケン」の乙黒えり。
ある日、中部地方の工業地帯で爆発事故が発生。しかし、この事故に関する報道はすぐに打ち切られ、真相は謎に包まれたままとなる。この事故は、その発生日に合わせて“3.1”と呼ばれ、人々に記憶されていった。それから10年。名古屋のビルで爆弾テロ事件が発生する。人々がパニックに陥る中、別件で取材に出ていた報道のカメラが、その瞬間を捉えていた。そこに映っていたのは、ビルの屋上に立つ仮面をつけた1人の少女。その存在に気づいたテレビプロデューサーは、この少女を番組のために利用することを計画し、裏社会の人間を利用して正体を探り始める。そしてもう1人、謎の青年・加ト(林一嘉)も、事件の犯人に対して共感に近い興味を抱いていた。そんな加トを、静かに見守る恋人の美藍(乙黒えり)。彼らの動きをよそに、仮面の少女・カンナ(林由莉恵)は、過去の苦い記憶と戦いながら、自分の目的を果たそうとする。この事件に続くように、街では模倣テロが発生し、世の中は次第に混迷の度合いを深めてゆく。それとともに囁かれるようになる“3.1”に関連するある噂……。“アジャスター”とは一体何なのか?そして、加トとカンナ、交錯する2人の人生の先に待つものは何か……?
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