沖縄県宮古諸島に沖縄民謡とは別に古くから受け継がれてきたものの今では歌える人が少なくなってきた、島の暮らしや神への信仰などから生まれたアーグ(古謡)と神歌と呼ばれる唄を追ったドキュメンタリー。ミャークとは、宮古島のことを指す。ロックバンド『裸のラリーズ』の一員としてデビューし喜納昌吉、ザ・ブーム、MONDY・満ちるらのプロデュースやミュージカル『マウイ』の音楽監督を担うなど幅広い活躍をする久保田麻琴が原案・監修・整音を担当。監督は「吉祥寺夢影」の大西功一。1995年の「とどかずの町で」以来16年ぶりに映画作品を手がけた。第64回ロカルノ国際映画祭批評家週間部門批評家週間賞・審査員スペシャル・メンション2011を受賞。
ストーリー
沖縄の方言でミャークと呼ばれる宮古島。ここでは古くから、島での厳しい暮らしや神への信仰を歌うアーグ(古謡)と神歌と呼ばれる唄がある。かつて島では、生活と信仰と唄が密接につながりあっていた時代があった。特に御嶽(うたき)と呼ばれる霊場での神事の際に歌われる神歌は、神女達(ツカサンマ)によって願いを込めて歌われ、数百年にも渡り受け継がれてきた。唄を受け継ぐこと、それは、信仰や先人たちの記憶を受け継ぐことにもつながっていた。御嶽での神事は神聖なものゆえ、島外の者が接するのは容易なことではなかった。しかし今ではこの神歌を歌える人が島から消えようとしている。2009年、東京のコンサートホールに赴く90歳を超えたおばぁ達。一般の者向けに初めてミャークの神歌が披露される。おばぁ達は渾身の力を込め、神歌を歌う。その歌は聴衆たちにミャークの豊かな世界への驚きと得も言えぬ懐かしさをもたらす。
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作品データ
[c] Koichi Onishi 2011
[c]キネマ旬報社