ラファエル・スプレゲルブルド
レオナルド
建築家ル・コルビュジエが設計したクルチェット邸に暮らす男と、その隣人のもめ事を描くコメディ。共同監督は、「El Artista」のガストン・ドゥブラットとマリアノ・コーン。出演は、舞台俳優のラファエル・スプレゲルブルド、ダニエル・アラオス。マル・デル・プラタ国際映画祭最優秀作品賞ほか受賞多数。
椅子のデザインで一躍世界的に有名になったインダストリアル・デザイナーのレオナルド(ラファエル・スプレゲルブルド)は、ブエノスアイレスの州都ラプラタにあるクルチェット邸に、妻のアナ、娘のロラと暮らしている。ある朝、レオナルドは大きな打撃音で目を覚ます。隣家の住人ビクトル(ダニエル・アラオス)が自宅に向かって、窓を開けようとハンマーで壁に穴をあけていたのだ。ビクトルはフレンドリーだが、レオナルドが違法だと指摘しても動じない。それでも、心配する妻や娘の前で強気に出たレオナルドは、ビニールで覆い穴を塞ぐよう、なんとか約束させる。しかし今度は黒いビニールが気になりだし、ハンマーの音は時間に関係なく響いている。自宅でヨガのレッスンをしているアナは、警察でも弁護士でも呼べばいいと言い、レオナルドは妻と隣人との板挟みで仕事も手に着かなくなる。テレビのインタビューにいらつき、締め切りを過ぎた言い訳を考えなくてはいけなくなるレオナルド。しかし親しみをあらわにするビクトルは、ストーカーまがいのことまでしてくる。そんな隣人に脅威を感じたレオナルドは、防犯用のパニック・ボタンをつけ、妻の父の友人である弁護士に介入を頼む。そしてある日、ついにパニック・ボタンが作動する。
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