劇作家・演出家の平田オリザと、彼が主催する劇団・青年団のドキュメンタリー。教育の分野や海外に活動の場を広げたり、ロボットによる演劇を手掛けるなど、芸術家集団としての彼らが資本主義的な現代社会で生き残るための戦略にスポットを当て、芸術と社会の関係を問い質す。監督は、「Peace ピース」の想田和弘。
ストーリー
『冒険王』の本番。平田オリザはこまばアゴラ劇場の2階席に入る。民主党の若手議員による『冒険王』を語る会。平田と青年団のメンバー数人と食事をしながら『冒険王』について語る。稽古場で、劇団員が平田に様々な疑問をぶつけることができる飲み会が開かれる。そこで、平田の父が劇場を建てたときと、助成金が切られた時代の借金に苦しむ青年団の台所事情が明かされる。平田は、文化庁の拠点助成が取れなかった場合、世論に訴えるしかないと考えている。鳥取県倉吉市立西中学校で、平田は演劇のモデル授業を行う。平田はこのような授業を全国の40以上の都道府県で行ってきた。鳥取県鳥取市鹿野の第1回鳥の演劇祭に青年団が招待され、『ヤルタ会談』『隣にいても一人』の上演や、ワークショップを行う。芸団協での会合で、行政に対してどんなアプローチをするべきかという筑波こども劇場の人の質問に平田が答える。平田は、東京大学の学生による論文のためのインタビューを受ける。メンタルヘルスの会合に講師として招かれた平田は、国家や自治体が芸術文化活動を支援する必要性について語る。平田が手掛ける世界初のロボット演劇『働く私』の記者会見。大阪大学、大阪の企業・イーガーと青年団が協力して立ち上げたプロジェクトで、三菱重工が開発したロボットwakamaru2体と人間2人が20分の芝居に出演する。『働く私』上演後のトークで、スタニスラフスキーの演技理論が近代の幻想だと証明されたと平田は胸を張る。こまばアゴラ劇場の事務所で、フランスの女優・演出家のヴァレリー・ラングが平田を訪ねる。広島で演劇プロデューサー向けの講座が開かれる。平田はフランスで年1、2本の作品を手掛けている。ベルギーで平田が作った『森の奥』がアゴラ劇場で日本初上演される。平田は稽古の合間に助成金の申請書のチェックをする。助成金が切られれば、アゴラ劇場は倒産に追い込まれるのだ。
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