ディレクター
東海テレビ放送のドキュメンタリー人間シリーズのひとつ。1998年、2000年に続き野間の漁師と中部国際空港建設についてのドキュメンタリー第3弾。中部国際空港建設予定地にほど近い海域で、かつて“黒いダイヤ”と呼ばれた海苔養殖を営む漁師たちが、空港建設を受け入れるまでの苦悩を映す。2005年日本民間放送連盟賞テレビ教養番組優秀賞を受賞。プロデューサー・取材・構成を務めたのは、東海テレビ放送入社後、アナウンサー職を経て数々の名ドキュメンタリーを手がけ、劇場公開された「平成ジレンマ」でプロデュース、「青空どろぼう」では共同監督を担った阿武野勝彦。「あなたへ」「英二」の俳優・石倉三郎がナレーションを担当。
ストーリー
かつて海苔は“黒いダイヤ”と呼ばれた。愛知県美浜町の野間漁業協同組合では、海苔養殖が行われてきた。野間漁協が漁業権を持つ海域のほど近い場所に、中部国際空港が建設されることになった。2000年、野間漁協の大崎正明組合長は漁場が荒れることを恐れ、愛知県漁連から離脱し単独で交渉にあたった。苦しい交渉を重ね、最後には嗚咽しながら空港建設を容認した大崎組合長。野間漁協の方たちは、一体何を守ろうとし闘ったのか。その苦悩の道をたどる。2005年に中部国際空港は開港。開港式典に招待されていたが、その日大崎組合長は海での仕事を続けていた。漁師たちは、懸命に生きている。