ホスピス“希望館”を舞台に、がん患者の終末医療に取り組む医師、スタッフや患者家族の姿を追ったドキュメンタリー。“生命”が終わりを迎えた後も、“いのち”が人から人へ受け継がれてゆく様子を捉える。ヴォーリズ記念病院ホスピス長の医師・細井順と、彼が出演したテレビ番組を制作した溝渕雅幸監督の出会いから誕生した作品。
ストーリー
6回目の冬を迎えようとしているホスピス“希望館”。終末期を迎えたがん患者のための医療施設である。しかし、入院患者やその家族たちの表情はとても穏やかで、笑顔も見られる。与えられたその日一日を精一杯生きてもらうためのケアが、スタッフたちの努力によって実現していることがその理由。ホスピス医の細井順さんは白衣を着ない。それはがんを患った自身の経験から、“患者も医者も同じ弱さを持った人間同士”であるという考えに至った結果だ。細井さんは目線を合わせて患者の“痛み”や“寂しさ”に寄り添う。ある日、外来通院を続けていた一人の患者が入院。その日から細井さんをはじめ病棟スタッフたちによる、患者とその家族に“寄り添う”ケアが始まる。残された時間を大切に生きてもらうために……。