デボラ・ヴォイト
カサンドラ
ワーグナーの先駆者としても知られるベルリオーズが、全精力を傾けた大作。「トロイの木馬」で知られるトロイアの滅亡とローマの建国をめぐる壮大なる悲劇を、フランチェスカ・ザンベッロの荘厳かつ幻想的な舞台演出で上演。指揮はMET首席指揮者、ファビオ・ルイージ。出演は「ワーグナー《ニーベルングの指環》」シリーズのデボラ・ヴォイト。
紀元前12世紀のトロイア。町を包囲していたギリシャ軍は、大きな木馬を残して撤退、喜ぶ人々は、王女カサンドラ(デボラ・ヴォイト)の予言もきかずに木馬を城内に運び入れる。ところが木馬のなかにはギリシャ軍が隠れており、奇襲を受けたトロイアは滅び、トロイアの武将アエネアス(マルチェッロ・ジョルダーニ)は人々を率いて新天地をめざす。流れ着いたカルタゴで、アエネアスは女王ディドー(スーザン・グラハム)と恋に落ちる。しかしアエネアスは、新国の建設という大役を果たすため、ディドーを置いて再び旅立つのであった……。
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