坂口安吾の小説を原作に、故・若松孝二監督の下で映画作りを学んだ井上淳一が監督した官能文芸ロマン。「大鹿村騒動記」の荒井晴彦と「魔法少女を忘れない」の中野太が脚本を担当。戦争に翻弄される3人の男女の運命を映し出す。出演は「ユリ子のアロマ」の江口のりこ、「隠し剣 鬼の爪」の永瀬正敏、「希望の国」の村上淳、「悪人」の柄本明。
ストーリー
戦争末期。時代に絶望し虚無に苛まれる飲んだくれの作家(永瀬正敏)は、自分の欲望に忠実な飲み屋の女将(江口のりこ)と刹那的に同棲を始める。だが、幼い頃に遊郭に売られたその女はどんなに体を重ねても喜びを感じることはなかった。心と体に欠落を抱えた二人は、「戦争が終わるまでやりまくろうか」とただひたすらに相手の体を求め続ける……。そんな中、中国戦線で右腕を失った男(村上淳)が、妻と幼い息子に迎えられ帰ってくる。しかし男が失ったのは、腕だけではなかった。戦場での精神的後遺症から、男は妻と性行為ができなくなっていた。だがある日、焼け跡で数人の男に襲われている女を見つけ、自分が興奮していることに男は気付く。中国で女を犯し、殺した記憶が甦ったのだ。その日から男は「お米が手に入るよ」と言っては何人もの女を山奥に連れ込み、犯し、殺し始める。やがて戦争に翻弄される一人の女と二人の男の運命が交錯していく……。
キャスト
永瀬正敏
野村
村上淳
大平
柄本明
高尾祥子
大島葉子
酒向芳
川瀬陽太
佐野和宏
千葉美紅
牧野風子
大池容子
瀬田直
真田幹也
飯島洋一
牛丸亮
小野孝弘
草野速仁
福士唯斗
奥村月遥
奥村彩暖
Guillaume Tauveron
marron
スタッフ
監督
井上淳一
脚本
荒井晴彦
脚本
中野太
原作
坂口安吾
撮影
鍋島淳裕
音楽
青山真治
音楽
山田勳生
美術
磯見俊裕
編集
蛭田智子
照明
豊見山明長
録音
臼井勝
録音監修
橋本文雄
音響効果
伊藤進一
助監督
瀬戸慎吾
製作主任
田中荘介
企画、統括プロデューサー
寺脇研
プロデューサー
片嶋一貴
キャスティング