サミ・ブアジラ
フィリップ
人類が“社畜”と“家畜”に分類されたそう遠くない未来を舞台に、全体主義や権威主義に支配された不条理な社会を描いたディストピアSF。出演は「デイズ・オブ・グローリー」でカンヌ国際映画祭男優賞に輝いたサミ・ブアジラ。監督は、これまでテレビ作品や短編を手掛けてきたフランスの新鋭ジャン=バティスト・レオネッティ。
そう遠くない未来。高層ビルが立ち並ぶその都市の風景は、現在の世界とあまり変わらない。違うのは、街角のスピーカーから流れる住民たちの妊娠や出産の報告とセックス奨励のアナウンス、そして木槌でボールを叩いて競い合うスポーツ、クロッケー試合の結果報告だった。10代の少年フィリップ(マジッド・イヴ)は、人肉加工場で働く母親(フェイリア・ドゥリバ)と共に高層集合住宅で暮していたが、今の仕事と生活に絶望した母親が、ベランダから飛び降り自殺を図る。その死体は、回収業者のトラックによって人肉加工場へと運ばれて行った。残ったフィリップが連れて行かれた先は、同じような孤児たちが集められた教室。施設で孤独な日々を送るフィリップは、チェーンで首を吊って自殺を図るが、同じ教室の少女マリー(アデル・エグザルチョプロス)に救われる。数年後、成人して組織のエグゼクティヴとして働くようになったフィリップ(サミ・ブアジラ)は、その日も就職希望者たちを“家畜”とそうでない者に仕分けする試験に立ち合う。結婚したマリー(ジュリー・ガイエ)との関係は、もはや冷え切っていた。上司の誕生パーティに参加するフィリップとマリー。他にもダークスーツに身を包んだ多くの“社畜”たちが人肉加工のオードブルをつまみながら盛り上がっていたが、彼らは、スーツを汚した給仕を蹴り殺す。フィリップとマリーも帰り道、その“社畜”たちに襲われるが、間一髪のところを駐車場のガードマン、パトリス(ジャン=ピエール・アンドレアーニ)に救われた。翌朝、謝罪に訪れた4人の“社畜”に対して、グループ実験という名目で激しい殴り合いをさせるフィリップ。夜、スーツ姿の男を車で轢き殺したマリーは、自ら免許証を現場に投げ捨てる。翌朝、部屋のドアが激しく叩かれ、事態を察したフィリップはマリーを問い詰めるが、彼女はベランダから身を投げてしまう……。
フィリップ
マリー
パトリス
フィリップの母親
リズ
ジャン=リュック
フランソワ・ マルヴィ
少年時代のフィリップ
少女時代のマリー
監督、脚本、製作
製作
製作総指揮
撮影
音楽
美術
編集
編集
衣裳デザイン
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