ファン・ディエゴ・ボト
ダニエル
謎めいた少女の出現により、子供時代に経験した忌まわしい記憶に苛まれ、徐々に追い詰められていく男の姿を描くスパニッシュ・ホラー。監督は「悲しみのミルク」の製作を手掛けたアントニオ・チャバリアス。出演は『ダンス・オブ・テロリスト』のファン・ディエゴ・ボト、「私が、生きる肌」のバルバラ・レニー。
同じ小学校に勤める教師夫婦、38歳のダニエル(ファン・ディエゴ・ボト)と34歳のラウラ(バルバラ・レニー)は、なかなか子供を授かることができず悩んでいた。学校を一時休職していたラウラは、婦人科医にも通ったが成果が得られず、気持ちを入れかえ現場復帰を決める。その日、二人が小学校に出勤すると、ダニエルが子供の頃、兄弟のように仲の良かったマリオに呼びとめられる。マリオはダニエルに自分の7歳の娘フリア(マヒカ・ペレス)に会って、あの夏の事件のことを話して欲しいと懇願するが、そんなマリオの願いをダニエルは突っぱねるように断るのだった。マリオが帰宅すると、フリアは楽しそうに風呂に入っており、やがて彼女が“ディクタド(書き取り歌)”を口ずさみ始める。“ハトを飼っている……”“マルテへ飛んでいった……”“巣を作った……”マリオはその歌を聞いた途端に表情を一変させ、服のままフリアが入っている浴槽に入るとカミソリの刃を腕にあてて自殺する……。翌日の新聞にマリオの自殺記事が載った。動揺を隠しきれないダニエルの脳裏に、あの夏の忌わしい事件が断片的によみがえる。ダニエルの父親は、再婚を考えていたルイサと彼女の二人の子供と一緒に過ごすことになった。ルイサの子供の名は、マリオとクララ。クララは、怪物から身を守ってくれるという“赤い魔法のリボン”を付け、“ディクタド”を母親に教えてもらう。だがその数日後、墓地で半ば土に埋められた状態でクララの死体が見つかり、再婚は白紙になった……。ラウラは、ダニエルにマリオの葬式に行くように勧め、そこで二人は養護施設に入れられたというフリアに会う。ラウラは監護権を持つ人間が見つかるまで、彼女を一時預かろうと言い出す。ダニエルは、しぶしぶ承知してフリアを引き取るが、今まで封印していた忌わしい記憶とその悪夢に苦しむようになっていく。そしてフリアは、なぜかクララと同じ“赤い魔法のリボン”を付け、クララと同じ“ディクタド”を口ずさみ始めるのだった……。
監督、脚本、製作
原作
共同製作
撮影
音楽
キャスティング
字幕
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