「処女の泉」「野いちご」「叫びとささやき」などのスウェーデン人監督イングマール・ベルイマンと、女優リヴ・ウルマンの秘められた愛と友情の軌跡を辿るドキュメンタリー。監督と女優として出会い、男と女として愛し合い、最後は人間同士として尊敬と理解を深めあった二人の物語を、ウルマンへのインタビューとベルイマンの手紙、二人の人生が投影された作品の数々を通して見つめていく。
ストーリー
リヴ・ウルマンとイングマール・ベルイマンは1964年に「仮面/ペルソナ」をきっかけに出会い、5年間一緒に暮らし、子供を一人もうけ、ウルマンは10本のベルイマン作品でヒロインを演じた。2007年、ベルイマンはスウェーデン・フォール島の自宅でリヴ・ウルマンに看取られながら死去。ウルマンはかつてベルイマンと暮らしたそのフォール島の家へ出向き、50年前、夏の日差しの中で育まれた禁断の恋の喜びを、少女のように瞳を輝かせながら語り始める……。25歳のとき、21歳年上のベルイマンと結ばれたウルマンは、至上の幸福を味わい、とまどいと孤独を感じ、島の閉鎖的な生活の中で怒りを溜め込み、失望の果てに選択した別離に傷つけられ、やがてその痛みが穏やかな友情へと変化していく過程を経験する。ベルイマンとの生活や仕事について、愛と憎しみについての様々な証言、さらには作品フッテージ、当時の撮影風景、そしてベルイマンからウルマンへの肉筆ラヴレターによってこの二人の関係を浮き彫りにしていく。