ジュリー・ハリス
Eleanoa
「ウエスト・サイド物語」のロバート・ワイズが制作並びに監督にあたったスリラー、もしくは恐怖映画である。原作はシャーリー・ジャックソン女史のベスト・セラー小説「丘の家の怪」で「私は死にたくない」などワイズ作品に協力したネルソン・ギディングが脚色した。撮影はデイヴィス・ボウルトン、音楽はハンフリー・シアール、特殊効果は「バグダッドの盗賊」のトム・ハワード。出演者はブロードウェイの舞台女優で、「エデンの東」やTVで活躍しているジュリー・ハリス、「チャップマン報告」のクレア・ブルーム、「戦雲」のリチャード・ジョンソン、「渚のデイト」のラス・タンブリンなど。
ニューイングランドの人里離れた寂しい地区に、大きな館がぽつんと立っていた。人々は「丘の家」と呼んでいるが、そこは住む者すべてが不慮の事故死をとげたため、呪われた不吉な家と噂されており、持ち主である寡婦サナーソン夫人さえも住む気になれないほど、今や住みつく者は誰もなかった。だが、そんな丘の家に借り手がついて夫人を驚愕させた。人類学教授ジョン・マークウェイ博士(リチャード・ジョンソン)で奇怪な幽霊屋敷こそ、心霊研究格好の場所と考えたのだ。博士はこの心霊調査のため、子供の頃に不思議な経験をしたエレナー(ジュリー・ハリス)と、超感覚的な優れた感受力を持つセオドーラ(クレア・ブルーム)の女性2人を助手として選んだ。心霊調査グループがこの建物で顔を合わせた最初の夜、女たちは超自然的現象の恐怖に脅かされる。しかしエレナーはその恐怖の中にある拒むことのできない魅力にとらわれてしまう。翌日博士の夫人グレースが突然やって来た。彼女はその夜、この家の霊の巣食う所と目される育児室に1人で寝たが、夜半異様な胸騒ぎにエレナーが駆けつけると、夫人の姿がなかった。必死の捜索もむなしく、夫人の行方は分からない。そのうち、この家に巣食う霊は、いよいよエレナーに迫り、彼女は精神的に追い詰められていく。危険を感じた博士は、エレナーを屋敷から出るように勧めるが、孤独な家に帰りたくない彼女はそれを拒む。博士はエレナーを無理矢理車に乗せて出発させたが、車は猛スピードで大木に激突して、エレナーは死んでしまう。その大木は、以前この館の女主人が事故を起こして死んだ同じ場所であった。こうして霊はついにエレナーを捕えたのか・・。だがしかし謎はついに解けることはなかった。
Eleanoa
Theodora
Dr._John_Markware
Luke_Sannerson
Grace
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