Patiti Warbrick
Patiti
南海大洋洲豪州聯邦ニュージーランドのルワ・タニワの火山麓を舞台としてマオリ原住民の原始的な生活をキャメラに収めたもの。その特異な伝統習慣を取入れつつ1つの物語が織り出される。監督はルイス・D・コリンズ氏で、主任キャメラマンはウィルフリッド・M・クライン氏である。因にこれは発声映画として提供せられたものであって全部に伴奏が施されているものであるが最初の1巻なるプロローグのみには台詞が取入れられている。
ルワ・タニワ火山の麓にアリキスと称する力強いマオリ人種の一種族が棲んでいた。酋長テ・カフの息子ランギは同種族中多くの女あるにもかかわらず美しきミロ姫に心寄せていた。しかしランギが既に奴隷女アヌーを弄んだことを知っているミロはランギを心よからず思っていたミロの婿選びの日が来て、テ・カフは近隣に住むワチイ種族の勇士を招き、両種族中で最も力秀いでた者に姫を与える旨を伝えた。闘いの日、両種族の闘士は両集落の中間の平地に集合し、槍投げの試合を行った。ワチイ族は酋長パイアカの息子パチチを、そしてアリキス族はランギをそれぞれの指揮者として華々しく戦ったが、ランギは奸策を行してパチチを敗りミロとの結婚を許される。この間に、ミロとパチチとは互いに相手に心惹かれる。そしてミロはランギとの結婚式を挙げるまで禁断の小屋に押し籠められるが、パチチを忘れ難く、密かにルワ・タニワの麓の洞穴でパチチと逢うのであった。ミロの挙動を不審に思ったランギは一夜その跡をつけてパチチの姿を認め、それを部族に告げんとしたが、パチチに追われ争いの末、火山の煙と消える。この復讐のためにアリキス族は大挙してワチイ族に迫り、ここに両族入れ乱れての修羅場が現出した。時に、永い間静寂を守っていたルワ・タニワの山が火を吐いた。アリキス族はこれを見て神の怒りが我に下るものとして脱れ去る。やがて火山が再び静止する時が来た。両種族は和解した。そしてパチチとミロとがその2種族の平和を繋ぐものとなった。
Patiti
Miro
Rangi
Anu
Te_Kahn
Paiaka
Tamanui_the_fat_carver
Kura_carver's_wife
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