ウィリアム・パウエル
Nick
「影無き男(1934)」「夕陽特急」に次ぐシン・マン・シリーズの第3作で、原作はダシール・ハメット、脚色はフランセス・グッドリッチ、アルバート・ハケット組、監督はW・S・ヴァン・ダイク2世、主演はウィリアム・パウエルとマーナ・ローイ、製作はハント・ストロンバーグと同一スタッフに成っており撮影だけが「夕陽特急」のオリヴァー・T・マーシュと「踊る不夜城」のウィリアム・ダニエルスが協同している。助演は新人ヴァージニア・グレイ、C・オーブリー・スミス、ルース・ハッシー、オット・クルーガーその他。
幾多の迷宮事件を解決して有名なニックは、愛妻ノラと赤坊ニッキーに愛犬アスタを連れ、週末休暇でニューヨークで現われるとたちまち1つの事件を依頼された。依頼者はノラの父が残した土地を管理しているマクフェイ大佐で、何者かから生命を脅かされているのであった。夫妻は厳重に警戒されたロング・アイランドの大佐邸に着き、養女ロイス、その許嫁のホーン、大佐の秘書フレディ等に紹介された。昔大佐が雇っていたチャーチという男が最近出獄し、老大佐の生命にかかわる夢を見たと脅迫しているのである。その夜邸内に火をつけた者があり、ロイスの愛犬が殺されニックに発砲した者があった。幸いロイスのために助かり、犯人は警護の警官に射殺されたが、意外にもそれはホーンだった。しかしニックはこれをチャーチ等の仕業と狙み、次の日数マイル離れた彼の家を訪れると、情婦スミッティーと腹心の下僕ダム・ダムも一緒になって、彼の見た夢が適中することを熱心に説くのだった。ニックは大佐にニューヨークへ移れと勧めたが、大佐は肯んじなかった。そしてその夜大佐はついに何者かに殺害された。同夜スミッティの家にヴォーグルという男が来て、チャーチやダム・ダムと共に何かを密談した。厳重な非常線がはられ、マクフェイ家の人々はまたも取調べを受けたが、やはり一番嫌疑をかけられているのはチャーチである。その間にニックはナイト・クラブに姿を見せ、チャーチの情婦と称せらるるリンダ・ミルスという女のことを聞込んで彼女の部屋を捜索し、ある有力な証拠を握った。その後でチャーチはニックを訪れて、事件から手を引けと脅迫中、何者かに射殺されてしまう。かくて事件はますます混沌として又も迷宮に入らんとした時、慧眼なるニックは何か確信を得たものの如く、ロイス、ヴォーグル、スミィティ、フレディ、ダム・ダム、家政婦ベラム等を一室に集め、一同の前で縺れた糸を解く如く、次々に彼らの行動を指摘して行った。そしてL・Mという頭文字を使って二重生活をしていた犯人を指名したが、それはさすがに一座の人々も驚いたほど意外な人物であった。
Nick
Nora
Colonel_MacFay
Lois
Van_Slack
Dorothy_Waters
Lieutenant_Guild
Duddley_Horn
Freddie
Mrs._B_llam
Phil_church
Smitty
Diamond_Back_Vogel
Creeps
Nickie_Jr.
Dum-Dam
Mrs._Dolley
Asta
監督
原案
製作
撮影
撮影
脚色
脚色
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