韓国では知らぬ者はない国民的画家イ・ジュンソプとその日本人妻・方子。戦火に翻弄された1組の夫婦の生き様を通じて、日本と韓国の関係を見つめ直したドキュメンタリー。監督は「台湾人生」、「台湾アイデンティティー」など、台湾の“日本語世代”の取材を通じて、日本と台湾の解けない関係性を描き出した酒井充子。
ストーリー
日中戦争が泥沼化の一途を辿り、日本が戦争の道を突き進んでいた1939年(昭和14年)。三井財閥企業の役員を父に持つ令嬢・山本方子は、美術学校で出会った朝鮮からの留学生イ・ジュンソプと恋に落ちる。やがて日本は太平洋戦争に突入。空襲が激化し、戦況が最終局面を迎えた1945年に、方子は命がけで海を渡り、故郷に戻ったジュンソプのもとへ嫁ぐ。幸せな時を過ごしたのも束の間、1950年(昭和25年)に勃発した朝鮮戦争の戦火と貧困に追われた2人は、再び日本と朝鮮の地で離れ離れになってしまう。それでも愛を失わなかった方子とジュンソプは、唯一の通信手段である手紙を利用して、200通以上にも及ぶやり取りを交わした。アジアの芸術家として初めてニューヨーク近代美術館(=MoMA)に作品が収蔵され、遺された絵画は今や億の値がつく画家イ・ジュンソプ。今でこそ韓国内に知らぬ者はいない著名な画家だが、生前はキャンバスも買えないほど貧しい生活を送り、1956年(昭和31年)に39歳で息を引き取った。彼が最後に会いたいと願ったのは、日本人の妻・方子だった。1組の夫婦の姿を通じて、悪化の一途を辿る日韓関係を見つめ直す。国家の対立が先鋭化した時代に、民族や政治、思想を乗り越えて信頼を築いた2人の人生が私たちに問いかけることとは……?
スタッフ
監督
酒井充子
ナレーション
大鷹明良
ナレーション
速名美佐子
ナレーション
小林三四郎
エグゼクティブプロデューサー
菊池笛人
エグゼクティブプロデューサー
朴炳陽
撮影
松根広隆
音楽
廣木光一
編集
糟谷富美夫
録音
川上拓也
音響効果
菊池信之
プロデューサー
小林恒行
日本プロデューサー
辻本隆行
韓国プロデューサー
兪澄子
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
[c]2013 天空/アジア映画社/太秦
[c]キネマ旬報社