監督、撮影
2011年の東日本大震災に続く福島第一原発事故により、故郷から遠く離れた埼玉県の高校へ避難することになった福島県双葉町の人々の姿に迫ったドキュメンタリー第2弾。避難後の9カ月間を追った前作に続き、本作ではその後3年間の様子を記録した。監督は前作に続いて舩橋淳(「桜並木の満開の下に」)が務める。
ストーリー
2011年3月12日。福島第一原発の1号機原子炉の水素爆発により、全面立入禁止の警戒区域となった双葉町の住民1,400人が250km離れた埼玉県の高校へ避難した。以来、長い避難生活で町民の間に不満が多く出始めた避難所や仮設住宅では、町議会と町長が対立。2013年2月には当時の町長、井戸川克隆が辞任に追い込まれた。町長選挙を避難先で行うという異常事態の末、町政に関して異なる方針を打ち出した伊澤史朗が当選。役場は福島県いわき市に再移転する。町長交代で揺れ動く双葉町は帰宅困難区域に指定され、さらに中間貯蔵施設の建設計画が出されるなど、事故に起因する様々な問題が大きな影を落とし続ける。歴史に翻弄された土地、そこで暮らしてきた人々の立場を克明に映し出し、目に見えないものが消失していく様と、原発行政がもたらした矛盾を描く。