TBSテレビ『落語研究会』に残された往年の噺家たちの名人芸をスクリーンで上映する「シネマ落語」シリーズ第8弾。今回は、芸術祭賞を獲得した六代目三遊亭円生の看板演目『首提灯』、八代目桂文楽の名品『明烏』、五代目春風亭柳朝による江戸前落語『粗忽の釘』、ヘソ曲がりと愛嬌とがブレンドされた個性が漲る十代目桂文治の『二十四考』の4本を上映。
ストーリー
〈首提灯〉江戸っ子の酔っ払いが田舎侍に道を聞かれるが、酔っ払いは酒の勢いでさんざんに毒づく。我慢のできなくなった侍は、居合抜きで酔っ払いの男の首をはねてしまう。ところがあまりに見事な腕だったので、はねられた酔っ払いは全く気付かない。だがしばらく歩いていると、だんだんと首が曲がってきて……。〈明烏〉無類の堅物で通っている地主の若旦那。ある日、同じ町内の源兵衛と太助に、浅草の観音様の裏手にあるお稲荷様へお籠りに行こうと誘われる。若旦那は知らないがお稲荷様とは吉原遊郭のこと。実は、息子を何とかもう少し柔らかくしたいと思案した父親が、遊び人の二人に倅を教育してほしいと頼んだのだった……。〈粗忽の釘〉引越荷物を担いで女房よりひと足先に出た粗忽者の亭主。引越先を忘れて夕方やっとたどり着く。呆れる女房に、箒を掛けるので釘を打ってくれと頼まれた亭主は、壁に長い瓦釘を打ち込んでしまう。隣の家に釘が飛び出ているかもしれないから謝ってこいと言われた亭主は、向かいの家へと入っていく……。〈二十四考〉親不孝な男が、家主に唐土の二十四考のはなしを聞かされる。これを聞きかじった不幸者が家で二十四考を実行しようとするが、とんちんかんな説教をするばかりで……。
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