探検家・関野吉晴による“自然から素材を集めて舟を作り、人類の足跡を辿る”というプロジェクトに密着したドキュメンタリー。4年間の取材と3年間の膨大な編集作業により、単なる冒険の記録にとどまらない人間ドラマを描き出す。監督・構成は、本作姉妹編の「僕らのカヌーができるまで」でパート監督を担当した水本博之。
ストーリー
40年以上、自然とともに暮らす人々の生活を追い求めて旅を続けてきた探検家・関野吉晴は、太古の人類がインドネシアから海を通って日本列島に来た道を舟で辿ろうと考えた。その計画は、“砂鉄を集めて鉄器を作り、その鉄器による手作りで舟を作り、エンジンを使わずに島影と星だけを頼りにインドネシアから日本まで航海する”という途方もなく手間のかかるものだった。2008年、関野は大学の教え子たちと冒険家・渡部純一郎を巻き込み、砂鉄集めを始める。鉄器を作り上げた彼らは、インドネシア・スラウェシ島に入って造船を始める。半年かけて、スラフェシ島のマンダール人の伝統技術を使って舟を作り上げるが、“自然素材で手作りする”という制約のために、完成した縄文号とパクール号は近代ヨットと違い、逆風が吹くと前進しないという欠陥を抱えていた。総距離4700kmを航海するのに、進まない日は1日10km以下で、歩くより遅いのだ。日本人4人、マンダール人の漁師5人、木こり1人からなる、宗教・文化・言葉の異なるクルーたちは4人と6人に分かれ、4~6畳間ほどの広さで共生しなければならない。年齢も食べ物の好みもバラバラな彼らは、時に反目し合い、時に互いを尊敬し合いながら友情を築いていく。2年を経て、彼らの旅の意欲を削ぐことはできないと思えた。しかし、3年目の再出発を控えていた2011年3月11日、東日本で巨大な津波が多くの被害をもたらした。日本人クルーは支援のために被災地に向かう。そして、はるか南のスラウェシ島からも1つの悲しい知らせが届いた……。
スタッフ
監督、撮影、編集、構成、チラシデザイン
水本博之
撮影
児玉知仁
撮影
城戸口秀樹
撮影
狩野雄一
撮影
百野健介
撮影
山田和也
撮影
江藤孝治
撮影
鈴木純一
音楽
ミツキシ
プロデューサー、スチール
関野吉晴
ギター
岸剛
カリンバ
眞鍋充喜
スチール
佐藤洋平
題字/タイトル
桐生眞輔
津波映像
齋藤賢治
地図
村井里子
地図
村井翔平
チラシデザイン
保田卓也
パンフレット
棚橋早苗
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
- 製作年
- 2014年
- 製作国
- 日本
- 配給
- クリエイト21
- 初公開日
- 2015年3月28日
- 上映時間
- 122分
- 製作会社
- 『縄文号とパクール号の航海』製作委員会=クリエイト21
- ジャンル
- ドキュメンタリー
[c]Yohei SATO
[c]キネマ旬報社