認知症を患い徘徊を繰り返す母と、母を隠したり閉じ込めたりせずその様子をブログ『ボケリン・ママリンの観察日記』にユーモアを交え綴りながら見守る娘の暮らしを通し、今や65歳以上の4人に1人が発症あるいは予備軍であると言われている認知症や老いについて向き合ったドキュメンタリー。監督は、セクシャル・マイノリティを真正面から捉えた「ITECHO 凍蝶圖鑑」や大阪市西成区が取り組む新しい試みを追い第81回キネマ旬報ベスト・テン文化映画第3位になった「未来世紀ニシナリ」など、関西を拠点に数々のドキュメンタリーを手がける田中幸夫。2015年3月28日、大阪:第七藝術劇場での上映を皮切りに、全国順次上映。
ストーリー
大阪市北浜。自宅のあるマンションでギャラリーを営む酒井章子は、認知症の症状が進んだ母・酒井アサヨと平成20年から同居を始めた。アサヨは昼夜問わず徘徊。過去4年間でアサヨは1388回家出し、徘徊時間は1730時間、徘徊距離は1844kmにもなった。しかし章子はアサヨを閉じ込めたり隠したりせず、落ち着いているときは母娘一緒に居酒屋やバーに出向くことも。アサヨとユーモアでしのぎながら母を見守る章子を通し、認知症や老いに向き合っていく。