1965年インドネシアで起こった軍事クーデターに端を発し、共産主義者掃討を掲げた勢力に多くの人が殺され、その数は100万人以上にも及ぶとされている。2010年代に入っても英雄として暮らす大虐殺の実行者たちに自分の行ったことを演じさせた「アクト・オブ・キリング」のジョシュア・オッペンハイマー監督が、虐殺で家族を失った被害者側から悪とは一体何なのか見つめるドキュメンタリー。兄を殺された眼鏡技師が、危険を冒し視力検査を装って権力者となった加害者に近付き、核心を突いた質問を投げかけていく。第71回ヴェネツィア国際映画祭で審査員大賞、国際映画批評家連盟賞など計5部門を制覇。
ストーリー
アディは、1960年代にインドネシアで繰り広げられた大虐殺、いわゆる『9月30日事件』で兄が殺された後に生まれた。母はずっと失った我が子への思いを胸にしまいこみ、アディにすら多くを語ろうとはしなかった。2003年、ジョシュア・オッペンハイマー監督が撮影した、加害者たちが兄を殺した様子を得意げに語る映像を見たアディは、彼らに罪を認めさせたいと思うようになる。そして2012年に監督と再会したアディは、監督とともに加害者のもとに赴く。アディが警戒をかわしながら質問を投げかけていくうちに、母も知らない事実が明らかになっていく。
スタッフ
監督、製作
ジョシュア・オッペンハイマー
共同監督
匿名
製作
シーネ・ビュレ・ソーレンセン
製作総指揮
ヴェルナー・ヘルツォーク
製作総指揮
エロール・モリス
製作総指揮
アンドレ・シンガー
撮影
ラース・スクリー
音楽
サリ・バナン
音楽
マナ・タハン
編集
ニルス・ペー・アンデルセン
録音