W・C・フィールズ
Samuel_Bisbee
「チョビ髭大将」に続くW・C・フィールズ氏主演喜劇で、1925年度O・ヘンリイ記念賞を獲たジュリアン・ストリート氏作短編小説「ビスピイ氏の姫君」を映画化したものである。これをハワード・エメット・ロジャース氏とトム・J・ジェラテイー氏が改作し、J・ジェラテイー氏が改作し、J・クラークシン・ミラー氏が脚色し、「青春倶楽部(1926)」「女軍撃退」と同じくグレゴリー・ラ・カヴァ氏が監督した。「不良老年」「ボー・ジェスト(1927)」等出演のアリス・ジョイス嬢が相手役を勤め、パラマウント俳優学校出身のチャールズ・バディー・ロジャース氏を始め、キャサリン・レイチャート嬢、マーシャ・ハリス嬢等が助演している。
世界中のすべての町と同じ様にウオーキーガスでもそこの住民は2つの組に分かれていた。2つの組みとは社交界と貧民窟である。この町の社交界の代表者はマーチソン家で貧乏人の親玉はサミュエル・ビスビーであった。ところがこの二軒の家がこれ程隔たった生活をして居てもマーチソンの息子のロバートとビスビーの娘のアリスは深い恋仲だったのであるが、ロバートの母親マーチソン夫人はサミュエル・ビスビーがあまりに不作法なのに愛想をつかして息子とアリスの交際を禁じてしまった。この頃サミュエルは叩いても破れぬ硝子を発明しワシントン迄出掛けて実験したが不幸にして実験材料を取り違えて外の硝子を使ったので結果は散々の失敗で帰りの汽車中で自殺し様と迄決心したが漸くに思い止まった。この列車には西班牙の公爵夫人が乗り合わせて居たが、サミュエルはふとした機会から夫人と近づきになり夫人の身分を知らないでその無卿を慰めた。夫人はその好意を心から喜んでわざわざウォーキーガスにビスビーの住居を訪ねてくれた。ビスビーはその時硝子の失敗やその他の不評判で町の笑い草になっていたがその家に高貴の夫人が来訪したと云うので急に町一番の人気の中心になった。のみならずワシントンではサミュエルの実験が間違いであった事がわかり其の発明は高買に買い取られてビスビーは一躍百万長者になり娘のアリスは目出度くロバートと結婚した。滑稽なのはサミュエルがそれでもまだ夫人の身分を知らず公爵夫人と云うのは彼の為に演じてくれた芝居だと信じて居た事である。
Samuel_Bisbee
Princes_Lescaboura
Robert_Murchison
Alice_Bisbee
Mrs._Bisbee
Two_follow-scientis's
Two_follow-scientis's
Mrs._A._Brandewyne_Murchison
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