『社会を変えるには』『単一民族神話の起源』『<民主>と<愛国>』『1968』などの著作で数々の賞を受賞した歴史社会学者・小熊英二が初監督を務めたドキュメンタリー。2012年夏、福島第一原発事故後の原発政策に抗議するために約20万人が首相官邸前を埋めた抗議活動を記録し、民主主義再建の可能性を探る。
ストーリー
2012年夏の東京。首相官邸前に約20万もの人々が集まった。ニューヨークのウォール街占拠の翌年、香港の雨傘革命の2年前のことだ。しかし、この全貌は報道されず、世界に知られることもなかった。人々は、福島第一原発事故後の原発政策に抗議するために集まっていた。事故前はまったく別々の立場にいた8人が、危機と変転を経て、首相官邸前という一つの場所に集った。彼らに唯一共通していたのは、“脱原発”と“民主主義の危機”という言葉だった。民主主義の再建はできるのか? 本作は、現代日本に実在した、希望の瞬間の歴史の記録である。