トム・タイラー
Tom_Duffy
新進の西部劇俳優トム・タイラー氏主演映画で、フレデリック・アーサー・ミンドリン氏が原作を書き、F・A・E・パイン氏が脚色し、タイラー氏映画を幾多監督したロバート・デラシー氏が監督したもの。助演者は新進のドリス・ヒル嬢、フランキー・ダーロ君、ルロイ・メイソン氏等である。
カリフォルニアでも最も辺避な地方にフライング・ユー牧場があった。牧場主ヘンリー・ダフィーは息子のトムがのらくら者で映画雑誌ばかり見ているので困却していた。この家にはヘンリーの奮友の遺児のメリー・クラークという美しい娘が弟のフランキーと一緒に引き取られていた。トムとメリーとは恋仲で、ヘンリーも末は夫婦にしてやろうと楽しみにしていた。ある日突然驚くべきことが起こった。それはトムが日頃崇拝している映画女優パンーラ・ゴールデンを主役とするマンモス映画会社のロケーション隊が活劇撮影のために牧場借用を申し込んだからだった。そして乗馬に巧みなトムは早速エキストラに雇われ、虐げられるパンドーラを救う役を演ずることになった。幹部男優のウオルター・コートニーはメリーを誘惑することを企み、パンドーラを語らって人芝居打ち、ある朝メリーを連れ出して汽車に乗り込んだ。パンドーラの小供が崖から落ちたのをトムが救ってやったので、パンドーラは感謝と慚愧のあまりメリー誘拐の一件をトムに告白した。憤激したトムは愛馬に鞭うって急行列車を追跡し、列車に乗り移って、悪漢と猛闘の末メリーを首尾よく救助した。
Tom_Duffy
Mary_Clark
Franky_Clark
Henry_Duffy
Walter_Courtney
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