監督、製作、撮影、編集
阪神淡路大震災で甚大な被害を受けた神戸市兵庫区で毎年12月に開催される兵庫モダンシニアファッションショーに、本番までの数ヶ月間密着したドキュメンタリー。戦争や震災など激動の時代を生き抜いたショー関係者たちのユーモア溢れるたくましさを掬い取る。「徘徊 ママリン87歳の夏」の田中幸夫監督が、ショーの裏方を務める教授や関係者・参加者たちへのインタビュー、思い思いの装いやパフォーマンスが披露されるショーの様子にカメラを向ける。2016年2月27日より神戸市の元町映画館にて先行ロードショー。
ストーリー
1995年1月17日、阪神淡路大震災が発生し、神戸市兵庫区も甚大な被害を受けた。それから20年が経った2015年、兵庫区は震災前の人口には戻らず、高齢化が進んでいる。震災から10年目を迎えたのを機にスタートした兵庫モダンシニアファッションショーは、第11回目を数えようとしていた。様々な人が思い思いのファッションでステージに立つショー本番までの数ヶ月間、ショーに関わる人々をカメラが追う。大手百貨店のバイヤーだった神戸芸術工科大学ファッションデザイン学部長・見寺貞子教授は、震災後に大学に移り、人間とファッションの好ましいあり方を追求してきた。震災復興住宅で独り暮らしをする人、長崎の原爆投下を体験した人、障害のある人。構えず、飾らず、自分という衣もさらりと脱ぎ捨てる自由闊達な彼ら。そこには、歳を重ねたものが持つ知恵と豊かさが宿っているようである。彼らは、今ここを生きている。そして2015年12月6日、兵庫公会堂。ささやかなハレのステージである第11回兵庫モダンシニアファッションショーが始まった。