パメラ・チョン
ムルー
2009年に亡くなったマレーシアの女性監督ヤスミン・アフマドの遺作を、製作から8年を経て劇場公開。ピアノの上手な女子学生、二胡を演奏する優等生など高校生たちが、宗教や民族の違いによる葛藤を抱えながら、音楽コンクール“タレンタイム”を目指す。ドビュッシーの『月の光』、バッハの『ゴールドベルク変奏曲』などのクラシックに加え、マレーシアの人気アーティスト、ピート・テオが作曲したオリジナル曲など、多彩な音楽が物語を彩る。
ある高校で、音楽コンクール“タレンタイム”が開催される。ピアノの上手な女子学生ムルーは、耳の聞こえないマヘシュと恋に落ちる。二胡を演奏する優等生カーホウは、成績優秀で歌もギターも上手な転入生のハフィズに成績トップの座を奪われ、わだかまりを感じている。そして、マヘシュの叔父の身に降りかかる悲劇。ムルーとの交際に強く反対するマヘシュの母。闘病を続けるハフィズの母……。マレー系、インド系、中国系……。民族や宗教の違いによる葛藤を抱えながら、彼らはいよいよコンクール当日を迎える……。
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