山本圭祐
店長
多摩美術大学卒業制作作品「終わりのない歌」が第26回東京学生映画祭準グランプリを受賞した甫木元空が、脚本・編集・音楽・監督を務めた長編第1作。黄泉との境である森で店長は、母であるばーは自分と一緒に死ぬためにここに来たのではないかと想像する。「共喰い」の青山真治による劇映画初プロデュース作品。出演は、「FUGAKU1/犬小屋のゾンビ」の山本圭祐、「陽だまりの彼女」の岩田龍門。
森の木々がざわめきを止めるほんの短い時間、それも客の来ない明るい昼下がり、店長(山本圭祐)は、ばー(りりィ)は自分と一緒に死ぬためにここへ来たのではないかと想像する。ここでまこと(川瀬陽太)と出会ったと言うのは嘘で、あらかじめ父(田中泯)と言い交わした約束があって待っていたのではないかと。だから父のすぐあとにやってきた姉と弟の、幼い弟はる(岩田龍門)に自分を重ねてしまう。店長は、父を森へいざなったことの自分への言い訳ではないかと考える。すべては仕組まれたことと考えれば生きやすくなるが、そういうごまかしが通じないのがこの森であることを、店長自身が誰より知っていた。それに、誰かがあれが父だと教えたわけでもなく、ばーとまことがいつもより浮かない顔をしていたので、勝手にそう考えただけだ。そもそも、ばーが本当に母はどうかも分からない。店長は、この森にいて自分が自分でいられる唯一の術であるとでもいうように、ギターをチューニングする。店長が森へいざなった誰かの置き土産のギターを弾き、歌うと、森も歌った。店長はふとギターを止める。聞いたことのない音を聞いた気がしたのだ。はるの歌声もとぎれとぎれに聞こえる。また勝手な考えを巡らせ、店長は今日来る客を想像する。
監督、脚本、音楽、編集
撮影
音楽
美術
美術
衣裳/スタイリスト
メイク
照明
現場録音
現場録音
音響
助監督
プロデューサー
プロデューサー
ライン・プロデューサー
特機
スチール
仕上げ
操演
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