時計の殺人
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時計の殺人

1931年公開
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ルーファス・キング原作の探偵小説とそれに基いてチャールズ・ビーハンが脚色した舞台劇を映画化したもので「女房盗賊」のヘンリー・マイヤースが映画脚色し、「砲煙」「征服群」のエドワード・スローマンが監督、「スキピイ」「悪魔が跳び出す」のカール・ストラッスが撮影した。主要俳優は「市街」「砲煙」のウィリアム・ボイド、「天国の一夜」「悪魔が跳び出す」のリリアン・タッシュマン、「アメリカの悲劇」「愛する権利(1930)」のアーヴィング・ピチェル等で、「キック・イン」のレジス・トゥーミー、「天下無敵」のサリー・オニール、「氷原の彼方」のウォルター・マッグレイル、レスター・ヴェイル、ブランシュ・フレデシリ、マーサ・マトックス等が助演している。

ストーリー

巨富を擁するジュリア・エンディコット夫人は息子のフィリップが知的障害者なので、甥のハーバートに財産を与えることにしていた。もっともハーバートは飲んだくれでエンディコット夫人は彼を嫌っていたし、その妻ローラには少しも好意を持っていなかったのであるが、知的障害者の息子よりも酒飲みの甥がまだましだと考えたからであった。ローラは彫刻家トム・ホランダーと親交がある様子でそのアトリエを訪問することが少なくなかった。エンディコット夫人がハーバートに財産を遣る旨の遺言状を作製した晩、何者かのために殺害されているのが発見された。敏腕の誉れ高い名探偵のヴァルクーア警部はただちに現場に出張した。フィリップは慧眼なる警部の反対にもかかわらず有力な容疑者として拘引され未決監に収容された。しかし彼が犯人であるという証拠は無かった。ジュリア夫人の葬式に参列した時警部はローラとホランダーとが何事か黙契あるのを看破し、2人を怪しみ始める。ローラとハーバートはかくてエンディコット家の主人となったがハーバートは神経過敏となって何かを怖がる様子があった。ローラは未決監にあるフィリップを訪れ、ハーバートを憎悪させるような話をした。果然フィリップは脱獄した。警部がエンディコット家に駆けつけた時ハーバートは死んでいた。が検屍官は彼が過激な衝動のあまり失神しているに過ぎないことを知って蘇生させた。ホランダーもハーバートを蘇生させるのに手伝うために来邸した。息を吹きかえしたハーバートが犯人の名を告げようとするとホランダーは匕首を閃めかして殺そうとしたが警官に妨げられて果たさなかった。ハーバートは助け起こされて寝床に座ったとたん窓を見て悲鳴をあげると共に絶命してしまった。見るとそれは死んだエンディコット夫人の顔だった。驚き騒ぐ間にホランダーは逃走した。とローラの部屋で悲鳴が起こったので皆が駆けつけるとホランダーが扼殺されていた。しかしカシディ巡査がエンディコット夫人の粘土製のマスクを発見し、マスクにローラの指紋が残っているのを警部が看破したので真犯人はようやく判明した。

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作品データ

原題
Murder by the Clock
製作年
1931年
製作国
アメリカ
配給
パラマウント支社
初公開日
1931年
製作会社
パラマウント映画


[c]キネマ旬報社