ウィリアム・ハート
Jack_Mackee
ガンの宣告を受けたエリート外科医の、医師として人間としてのアイデンティティの揺らぎを描く。監督は「愛は静けさの中に」のランダ・ヘインズ、製作は「プリティ・ウーマン」のローラ・ジスキン、エグゼクティヴ・プロデューサーは「グリーン・カード」のエドワード・S・フェルドマン、脚本はロバート・キャスウェル、原作はエド・ローゼンバームの実体験に基づいた小説、撮影は「いまを生きる」のジョン・シール、音楽は「ヒドゥン」のマイケル・コンヴァーティノが担当。
心臓医ジャック・マッキー(ウィリアム・ハート)は、音楽をかけて歌いながら執刀する。インターンたちに「患者に特別な感情は抱くな」と教える彼は、意識のない患者にまるで聞こえるかのように話しかける耳鼻科のブルムフィールド(アダム・アーキン)を軽蔑している。彼の友人は医療ミスで訴えられたことをジョークにするカプラン(マンディ・パティンキン)だった。豪華な車を持ち、凝りに凝った邸宅を改装させるジャックは、妻のアン(クリスティン・ラーティ)の帰宅時間や息子ニッキー(チャーリー・コースモ)の学校のパーティのことを忘れても気にかけない。しかしある日、車の中で彼は血を吐いてしまう。診断は喉頭部のガンだった。翌日、治癒率80%の放射線治療が始まった。ジャックは患者として待合室で長時間待たされ、医師の都合で日時を変更され、誤って浣腸をされた。彼は末期のガン患者ジューン(エリザベス・パーキンス)と知り合う。彼女は高価な検査を受けられず、病気を知った時には手遅れだったのだ。ある日、ジャックは衝動的にジューンを彼女の夢だったインディアン・ダンス・ショーに誘う。遥かネヴァダ砂漠を横断中、ジューンは車を止めさせた。「今の時間を大切にしたいの」スカーフを取った彼女の頭の毛は全て抜け落ちていた。2人は湖畔でダンスを踊った。ジャックは事務的にしか患者に接しないレスリーから、ブルムフィールドに執刀医を替え、カプランにカルテ改ざんを告発することを伝えた。それは、彼自身の責任が問われることも意味していた。ジューンは昏睡状態となり、死んだ。手術は成功したが、ジャックは一時的に声を失うこととなった。安心はしたものの彼へのわだかまりが消えず荒れるアンにジャックは筆談で「君が必要だ」と繰り返し訴えた。彼女が与えた声代わりの笛のあまりの騒々しさにアンも遂に笑顔を見せる。その時、彼の口から声が出た。「愛してる」。やがて医師として復帰したジャックはジューンの最後の手紙を受け取る。動物に畑を荒らされるのを嫌った農夫は柵を作りかかしをたてた。やがて寂しくなった農夫が手を挙げていくら呼んでも動物は戻ってこない。農夫をかかしだと思ったのだ。「ただ、手を降ろせばいいのよ」。屋上でそれを読むジャックの周りに鳩たちが集まった。
Jack_Mackee
Anne_Mackee
June_Ellis
Dr._Murray_Caplan
Dr._Eli_Blumfield
Nicky_Mackee
監督
脚本
原作
製作
製作総指揮
撮影
音楽
美術
編集
編集
衣装デザイン
字幕
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