「魅力の人間」で第34回ぴあフィルムフェスティバル準グランプリを獲得した二ノ宮隆太郎監督の実体験を基にした青春ドラマ。鬱屈した日々を過ごす隆太郎は、幼い頃に世話になっていた幼なじみの母・龍子の死期が迫り、彼に会いたがっていることを知り……。監督自ら主演、幼少期から過ごしてきた横浜市二俣川を舞台にし、作中に登場する実家や友人宅は実際の場所を使用。虚と実を織り交ぜながら、私小説的に行き場のない若者たちや現代の家族像を浮かび上がらせる。
ストーリー
隆太郎は無気力で、関わること全てに諦念を抱いている。勤務先である横浜の自動車整備工場の先輩や後輩にも、ガールズバーで出会った女の子にも胸の内を語ろうとせず、周囲から変わり者として見られている。そんなある日、幼なじみの裕佑から連絡が入り、彼の母・龍子が隆太郎に会いたがっていることを伝えてきた。隆太郎は6歳で母を亡くしており、幼い頃龍子に世話になっていた。龍子はC型肝炎から発症した肝臓がんにおかされており、余命いくばくもない。7年前から龍子の病について知っていたものの一度も会いに行っていない隆太郎だったが……。