監督、編集、プロデューサー
長崎県川棚町のダム建設をめぐり、反対活動を続ける13世帯54人の家族を見つめるドキュメンタリー。利水と治水を目的に1962年に持ち上がった石木ダム建設計画。長い間、苦楽を共にしてきた住民たちの固い結束や、ふるさとを守るために戦ってきた思いに迫る。監督は「鍵がない」の山田英治。撮影を「光(河瀬直美監督)」の百々新が務める。2018年4月21日より大分シネマ5を皮切りに各地で上映。
ストーリー
朝、子どもたちが学校に行く。父と娘がキャッチボールをしている。季節ごとの農作業、おばあちゃんたちがおしゃべりをしている。それは一見、ごく普通の日本の田舎の暮らし。昔ながらの里山の風景が残る長崎県川棚町こうばる地区に石木ダム建設の話が持ち上がったのは1962年。事業の主体は、長崎県と佐世保市。ダムの目的は利水(水道事業)と治水。だが、人口減により水需要が年々減少。また治水の面では、石木川は、注ぎ込む川棚川の流域面積の9分の1にすぎない。その川にダムをつくることで、果たして治水に有効なのか。地域住民は、ダム建設の根拠について、もう一度検証すべきとしている。50年もの長い間、こうばる地区の住民たちは、ダム計画に翻弄されてきた。現在残っている家族は、13世帯。長い間、苦楽を共にしてきた住民の結束は固く、54人がまるで一つの家族のよう。ダム建設のための工事車両を入れさせまいと、毎朝、おばちゃんたちは必ずバリケード前に集い座り込むのだった……。