監督
フランスの女性監督レティシア・カートンが、ろう者である友人ヴァンサンの死をきっかけに彼の遺志を継ぎ、ろうコミュニティを10年にわたり記録したドキュメンタリー。美しく豊かな手話と優しく力強いろう文化を見つめながら、ろう者たちの内面にも迫ってゆく。音楽は、フランス人シンガーのカミーユ。本作中の音楽には楽器は用いられず、ハミングやスキャット、身体を叩く音などによってサウンドトラックが構成されている。2017年4月、『東京ろう映画祭』にて『新・音のない世界で』のタイトルで上映。
ストーリー
レティシア・カートン監督の友人であるヴァンサンが突然に命を絶った。彼は一緒にこの映画を作るはずだった。あれから10年間、監督は「ろう者の存在を知らせたい」という彼の遺志を継ぎ、本作を完成させる。フランスのろうコミュニティ。美しく豊かな手話と、優しく力強いろう文化。それはヴァンサンが教えてくれたもう一つの世界だった。共に手話を生き、喜びや痛みをわかちあう中、レティシア監督はろう者たちの内面に、社会から抑圧され続けてきた怒り、家族への愛や葛藤、ろう教育の現実などヴァンサンが抱えていたものと同様、複雑な感情が閉じ込められていることを見出していく……。