音楽
米軍基地移転計画が進む沖縄・辺野古で、計画に反対する県民たちの姿に迫ったドキュメンタリー。米海兵隊普天間基地の移設計画が進む辺野古は、豊かな自然の宝庫。にもかかわらず、民意を無視して計画を進める政府に、人々は反対の声を上げ続けている。「宮古島からのSOS」で共同監督を務めた藤本幸久と影山あさ子、さらに同作で撮影と編集を担当した中井信介がスタッフとして参加している。
ストーリー
1945年、太平洋戦争末期。本土防衛の“捨て石”とされた沖縄では、3ヶ月に及ぶ激しい地上戦の末、県民の4人に1人、12万人以上もの人々が亡くなった。そのうち、9万4千人は兵士ではなく、一般の住民だった。それから73年経った今も、米軍は沖縄島の15%を占拠し続け、アメリカの戦争のための訓練が行われている。ベトナム、アフガニスタン、イラク……。米兵は沖縄から戦場へと出撃していく。2006年、日米政府は在日米軍の再編計画で、米海兵隊普天間基地を辺野古へ移設すると合意。沖縄県民は、2014年の知事選挙で、新基地建設に反対する翁長雄志氏を知事に選んだ。10万票差の民意だった。日米政府は沖縄の民意を一貫して無視。機動隊と海上保安庁を前面に立て、暴力と弾圧で工事を進めている。辺野古・大浦湾は宝の海だ。国の調査でも絶滅危惧種262種を含む5,800種以上の生物が確認されている。ジュゴンもこの海にやってくる。新基地が作られる米軍キャンプシュワブには辺野古弾薬庫が隣接するが、その弾薬庫は2つの活断層に挟まれている。ここから化学物質や放射性物質が漏れ出たら死の海となる。県民たちは再び立ち上がった。2018年4月の“奇跡の1週間”では、500人行動の初日に5時間に渡って工事車両を止め続けた。辺野古の海を閉め切り、8月には土砂投入と伝えられている。しかし、この巨大埋め立て工事は軟弱地盤、サンゴの保全、ジュゴンの保護など難題が山積みだ。県知事が毅然と対応し、人々が抵抗を続ければ新基地建設は頓挫する。海が閉め切られ、生き物の生き埋めが始まる前に今、見てほしい。この美しい海の姿と人々の強い思い、政府が隠そうとしている辺野古の真実を。