ヨーゼフ・ボイスは挑発する
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ヨーゼフ・ボイスは挑発する

2019年3月2日公開、107分、ドキュメンタリー/アート/伝記
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第二次世界大戦後のドイツで「社会を彫刻する」ことを掲げ、世界中を攪乱した芸術家ヨーゼフ・ボイスの人生に迫るドキュメンタリー。膨大な数の資料映像と新たに撮影された関係者へのインタビューを交え、その様々な芸術活動とボイスの知られざる傷を見つめる。出演は、ヨーゼフ・ボイス、美術評論家のキャロライン・ティズダル、美術史学者のレア・トンゲス・ストリンガリス、美術史学者/アートコレクターのフランツ・ヨーゼフ・ヴァン・デル・グリンテン、作家のヨハネス・シュトゥットゲン、アーティストのクラウス・シュテーク。撮影を「みつばちの大地」のヨーク・イェシェルが担当。監督は『ブラック・ボックス・ジャーマニー』『芝居に夢中』のアンドレス・ファイエル。

ストーリー

1921年、ドイツに生まれたヨーゼフ・ボイスは、18歳の時、軍に徴兵され空軍に配属。乗っていた飛行機が敵軍の迎撃により墜落し、頭蓋骨を骨折するなど重傷を負う。ボイスはこの経験を「タタール人に救出され、体温維持のため脂肪を塗りフェルトでくるむという治療によって一命をとりとめた」と語る。このエピソードは真偽が疑われているが、彼の作品には“脂肪”と“フェルト”が繰り返し使用されている。帰還後、ボイスは大学で彫刻を学ぶも、戦争のトラウマから2年にわたる重い鬱病を発症。1957年、そんなボイスをヴァン・デル・グリンテン兄弟は自宅に招く。部屋に籠りきる日々を送るボイスを見かねた兄弟の母が彼を訪ねた際、ボイスは「芸術は終わった」と打ち明けている。鬱からの回復後、彼はセンセーショナルなパフォーマンスで世界中を騒がせるが、それらの創造の根幹には、自身の傷、そして社会の傷への眼差しがあった……。腕に抱いた死んだ野ウサギを絵画に触れさせ、その説明を行う『死んだうさぎに絵を説明する方法』(1965年)、アメリカ先住民の聖なる動物コヨーテと共にNYのギャラリーに籠り1週間暮らす『私はアメリカが好き、アメリカも私が好き』(1974年)などのパフォーマンス、テレビの討論番組で繰り広げた評論家たちとの挑発的な議論から、彼は異端のアーティスト、トリックスター扱いをされる。1971年、教授をつとめるデュッセルドルフ芸術アカデミーにて「基本的人権に反する入学許可数の制限は、公平に解決するべき」と、学生らともにアカデミー事務局を占拠。1979年には、エコロジー運動、反原発・反核運動、学生運動、フェミニズム運動を背景に結成された政党「緑の党」に参加。1986年、デュッセルドルフにて没。ボイスの様々な試みは、現実社会に積極的に関わり人々との対話などを通して社会変革をもたらそうとする「ソーシャリー・エンゲージド・アート」の登場など、現在も美術界に影響を与え続けている。

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作品データ

原題
BEUYS
映倫区分
G
製作年
2017年
製作国
ドイツ
配給
アップリンク
初公開日
2019年3月2日
上映時間
107分
ジャンル
ドキュメンタリーアート伝記

[c]2017 zero one film, Terz Film
[c]キネマ旬報社