マイケル・サラザン
Wylie
もし、猫が人間を襲ったら……。ヒッチコックの「鳥」を思わせるショック映画。脚本はジョセフ・ステファノ、監督はデービッド・ローウェル・リッチ、撮影はラッセル・メティ、音楽はラロ・シフリンの担当。出演者はマイケル・サラザン、ゲイル・ハニカット、エレノア・パーカー、それに猫のチュリア。製作はバーナード・シュワルツとフィリップ・ヘイゼルトン。
自由を求めて家を出たワイリー(マイケル・サラザン)に、ある日、カシア(ゲイル・ハニカット)と名のる1人の女が訪ねてきた。彼女はワイリーの義母ダニー(エレノア・パーカー)の相続した莫大な財産を狙っていた。ダニーが肺気腫で死期が近いのと、彼女がワイリーを熱愛しているのを利用して、遺産を横領しようという計画を、カシアはワイリーに告げた。彼は肉体の誘惑に負けて、承知した。ダニーは大変な猫好きで、100匹もの猫を邸に飼い、全財産をその猫に与えることにしていた。しかしワイリーが戻ると、彼女は、猫嫌いの彼のため、弟のルーク(ティム・ヘンリー)に命じて猫を捨てさせた。そして、弁護士のベンデットに、遺言書を書き改めさせた。カシアの計画は実行に移されたが、失敗が続いた。そして不思議なことには、捨てられたはずの猫がいつの間にか、邸に戻って来ていた。ここでルークが本性を表わした。彼とカシアは恋人同士で、共謀して財産横領を企てていたのだった。2人は今や無力の、ワイリーとダニーを狙い始めた……。
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