ゾーラ・ランパート
Jessica
神経障害で入院していた人妻の周囲で吸血鬼の仕業と思われる殺人事件をはじめ、不思議な事件が起こる……。製作はチャールズ・B・モス・ジュニア、監督はジョン・ハンコック、脚本はノーマン・ジョナスとラルフ・ローズ、撮影はボブ・バルドウィン、音楽はオービル・ストーバーが各々担当。出演はゾーラ・ランパート、バートン・ヘイマン、ケヴィン・J・オコナー、グレッチェン・コルベット、アラン・マンソンなど。
強度の神経障害で入院していたジェシカ(ゾーラ・ランパート)は、退院してすぐ夫のダンカン(バートン・ヘイマン)と友だちのウッディ(ケヴィン・J・オコナー)と一緒にコネチカットの農場に向かった。その日の夕方、農場には見知らぬエミリーという娘がいた。その家の屋根裏部屋で、100年以上も前に住んでいた家族の写真が見つかったが、その娘はエミリーにそっくりだった。ある日、ジェシカは骨董屋の死体にぶつかった。かけつけたダンカンと引き返してみると死体はなく、彼は妻の病状がかなり悪化していると感じた。次の日、2人がでかけた後、ジェシカはエミリーに誘われて泳ぎにでるが、泳いでいる最中、突然エミリーが吸血鬼となり襲ってきた。やっとのことで逃げ、家にたどりついた彼女は、部屋に飛び込んでバリケードを築きダンカンの帰りを待った。時間がたち家中が静まりかえっていたが、ダンカンが帰ってくる様子はなかった。2人を探しに森にでかけた彼女は、そこでウッディの死体を発見した。傷あとは明らかに吸血鬼から受けたものだった。その場で気を失った彼女は、ダンカンに助けられベッドに寝かされる。ジェシカはダンカンの首にあるウッディと同じ傷あとが気になった。その時、突然部屋が吸血鬼でいっぱいになった。彼女は身を振り切って逃げだし、ボートに乗って岸を離れた。ふり返ると、岸には不気味な影がうごめいていた。1人きりのボートの中で彼女はじっと考え込んだ。今までの出来事は事実だったのだろうか、それとも全てが幻想にすぎなかったのだろうか……。
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