リュック・ベッソン監督の映画「グラン・ブルー」のモデルとして知られる素潜りダイバー、ジャック・マイヨールに焦点を当てたドキュメンタリー。1976年に人類史上初めて素潜りで水深100メートルに達した彼の波瀾万丈の生涯や、彼が伝えたかったことを探る。「グラン・ブルー」で主人公を演じたジャン=マルク・バールがナレーションを担当。WOWOWはじめギリシャ、フランス、カナダなどのプロダクションや放送局により共同制作された。第30回東京国際映画祭にて特別上映。写真:Mayol family archive/Daniele Padovan/Daan Verhoeven/Junji Takasago/Mehgan Heaney-Grier/Bruno Rizzato
ストーリー
素潜りの世界記録に命懸けで挑む青年を描いたリュック・ベッソン監督の映画「グラン・ブルー」の主人公のモデルとなったフランス人フリーダイバーのジャック・マイヨール。彼は上海在住の幼少期に何度か訪問した佐賀・唐津で海女の素潜りを見たことが将来につながった。成長し世界を放浪する彼の運命を決定づけたのは、フロリダでのイルカとの出会いだった。インドでヨガに出会い、日本の禅寺で精神を鍛え、素潜りに取り入れたマイヨールは、1976年、49歳にして人類史上初めて素潜りで水深100mに達する偉業をついに達成。そしてそれは人間を超越した感覚を経験した瞬間であった。映画「グラン・ブルー」により脚光を浴びるが、晩年は孤独の淵へと突き進み、2001年に自ら生涯を閉じた。本作ではマイヨール本人の映像や、家族や彼と交流のあった人たち、彼に影響を受けた現役のトップ・ダイバーらの証言を通し、知られざる素顔や波瀾万丈の生涯、日本との強い絆、そして彼が生涯をもって人々に伝えたかったことを深く探っていく。