娘は戦場で生まれた|MOVIE WALKER PRESS
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娘は戦場で生まれた

2020年2月29日公開,100分
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第72回(2019年)カンヌ国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。動乱に揺れるシリア・アレッポで恋に落ち、娘のサマを出産した若き女性ワアド・アルカティーブ。明日をも知れぬ身で母となった彼女は娘のために、家族や愛すべき人々の生きた証を記録してゆく。監督は、本作がデビューとなるワアド・アルカティーブと、数々のTVドキュメンンタリーを手がけてきたエドワード・ワッツ。

予告編・関連動画

娘は戦場で生まれた

予告編

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

いまだ解決をみない内戦地シリア・アレッポ。ジャーナリスト志望の女学生ワアドは、デモ運動への参加をきっかけにスマホで撮影を始めるが、平和を願う彼女の想いとは裏腹に、内戦は激化の一途を辿る。独裁政権によって美しかった都市が破壊されていくなか、医師を目指す若者ハムザと出会い、恋に落ちるワアド。ハムザは仲間たちと廃墟の中に病院を設け、日々繰り返される空爆の犠牲者の治療を行っていた。だがその多くは血まみれの床の上で絶命していく。そんな非情な世界で、ふたりは夫婦となり、やがて彼らの間に新しい命が誕生する。娘の名はサマ。自由と平和への願いを込めて“空”を意味する名であった。しかし、幸せも束の間、政府側の攻撃は激しさを増し、ハムザの病院は街で最後の医療機関となってしまう。明日をも知れぬ身で母となったワアドは、娘のために、家族や愛すべき人々の生きた証を映像として残すことを心に誓う……。

作品データ

原題
FOR SAMA
映倫区分
G
製作年
2019年
製作国
イギリス=シリア
配給
トランスフォーマー
上映時間
100分

[c]Channel 4 Television Corporation MMXIX [c]キネマ旬報社

映画レビュー

4.3
  • 杉ちゃん

    3
    2020/8/8

     内戦地シリアのアレッポの内戦の激化をまさに命を懸けて撮影した力作ドキュメンタリーです。

     大人だけでなく、子供までが「簡単に」死んでいく光景も描かれていて、あたらためて戦争の恐ろしさと人間の愚かさを痛感することになりました。

     そんな状況下でジャーナリストのワアドは妊娠して子供を産みます。そして、危険な撮影に同行させるのです。「この子が命」「この子がすべて」と繰り返し言いながら、安全な場所に行くことはできたのに、自分のジャーナリズムを第一に娘を近くに置きます。

     結果、現実を世界に伝えることができましたが、最後、命を懸けての脱出劇の時はなんと二人目を妊娠していました。

     ジャーナリズムと家族の命・・・

     正直、理解できなかった部分があったことも事実です・・・

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  • eggeater

    5
    2020/4/5

    VFX・ポスプロが一部はあったのか知らないが、赤ん坊をあやしている時の至近弾の爆発に対するリアクションはリアル。爆撃を避けるための、窓の無い建物の中央に身をよせあう人たち、病院に殺到する死傷者は役者では無いし、おびただしい血糊も映画の「小道具」ではないはずだ。一部を切り出すと「良くできた戦争映画」と見えてしまうところが恐ろしいほどの出来映え。登場した方々の幸運をお祈りする、としか言えない。。。。。

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  • コージィ

    4
    2020/3/4

    シリアの「アレッポの戦い」 (2012-2016)を、一般市民の視点からビデオカメラで取材したドキュメンタリー。
    スマホ撮影での配信経験からジャーナリストになり、医師と結婚してアレッポに住み、妊娠・出産した女性が、5年間回し続けたビデオを編集して撮影したもの。

    過度に演出したものではなく、ただ事実を知ってほしい、という思いの羅列であり、観る者の心を打ちます。
    ニュースで「空爆がありました」「市民の被害者は●●人」と見聞きするのとは全く異なる、そこで生きた人々の苦しみがそこにありました。

    「アレッポモデル」といわれる政府軍による包囲・攻勢(殲滅)と、国連や諸外国の仲介を通じて反体制派を退去・投降させ、政府の支配を回復する手法が、いかに非人道的かがよくわかります。
    自由と平和を希望し、故郷から離れたくないと願いながら、非武装で暮らしている人々の家や病院まで空爆し、虐殺を繰り広げているからです。
    遊んでいただけの子供たちの手足がもげ、大人のはらわたがはみ出て、息を引き取る。
    モザイクは一切なく、死んだ子供の顔も、泣き叫ぶ親の顔も、床に拡がる血や皮膚や筋組織・内臓も、まったく隠されることなく映っていました。
    加担したロシアを含め、アサド政権のやり口は許しがたいと思いました。

    ただ、この作品だけでは、わからないこと、伝わりきらないこともあったと思います。
    2014年くらいまでのISILを筆頭としたイスラム過激派組織については撮っていたりセリフで言及したりはしていても、2015~2016の反体制派が政権側軍と戦闘を繰り広げていることは、発言を含めてほとんど触れられていませんでした。
    なので、戦闘する反対勢力の武闘派とはつながってないのか、つながっているけどあえて伏せているのか、といった距離感の判断がつきませんでした(いや、たぶん武闘派を支持してたはず)。
    時々、病院の壁に銃が立てかけられているので、戦闘と無関係とは思えないのです。戦闘が続いていること自体を知らない、と判断するには、すでにスマホが普及した年なので、知らないのはむしろ違和感があり。
    一方的被害者、というには無理がある気もして。
    「編集」が、事象の意味を意図的に変質させることが可能なことを知っている身には、「これが全て」と受け取っていいのかと悩む部分もありました。
    疑い深い性格ですんません。

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