1970年代後半イギリスにて起きた、人種差別撤廃や不平等への反抗を訴える運動ロック・アゲインスト・レイシズム(RAR)を追う社会派音楽ドキュメンタリー。ザ・クラッシュらが賛同、約10万人による世紀の大行進と音楽フェスを実現した若者たちの活動に迫る。監督は、 BBC でドキュメンタリーを手がけてきたルビカ・シャー。第70 回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門正式出品作品。BFIロンドン映画祭 2019最優秀ドキュメンタリー賞受賞。ブロードキャスターのピーター・バラカンが字幕監修を担当した。
ストーリー
1970年代のイギリスは経済が長期的に停滞し、英国病と呼ばれるほど破綻状態にあった。市民が抱いていた不安と不満は、第二次世界大戦後に増加した移民たちへ転嫁され、街は暴力が横行、特に黒人たちが襲われた。そうした状況を背景に、芸術家として活動していたレッド・ソーンダズら数人の若者たちはロック・アゲインスト・レイシズム(略称RAR)を発足し、人種や生まれによる差別への反発や不平等への反抗を主張し、抗議活動を始める。RARの発するメッセージはやがてパンクロックバンド、ザ・クラッシュをはじめ、トム・ロビンソン、スティール・パルスなどのパンクやレゲエ音楽と結びつき、支持されていく。RARは1978年4月30日に約10万人による大規模なデモ行進と終着地での音楽フェスティバルを決行。フェスティバルには、ザ・クラッシュ、スティール・パルス、エックス・レイ・スペックス、トム・ロビンソン・バンドなどが出演。10万人余りの観客を前に、ザ・クラッシュが「白人も黒人と同じように暴動を起こせ!」とのメッセージを込めた楽曲『白い暴動』などを演奏した。ザ・クラッシュの名曲で闘志を燃やし、市民をひとつにした、ある若者たちと人種差別との闘いを追う。
スタッフ
監督、脚本、編集
ルビカ・シャー
脚本、製作
エド・ギブス
製作総指揮
ポール・アシュトン
撮影
スザンヌ・サラヴァティ
音楽
アスリング・ブラウワー
日本語字幕
堀上香
字幕監修
ピーター・バラカン
音楽スーパーバイザー
コニー・ファー
リ・レコーディング・ミキサー
ダン・ウェインバーグ
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
photograph by Syd Shelton
[c]キネマ旬報社