ロイド・ヒューズ
Robert_Sheldon
チャールズ・ベルモント・デイヴィス氏原作の「章魚」The Octopusをガードナー・サリヴァン氏が脚色し、「三銃士(1921)」「奇傑ゾロー」等を監督したフレッド・ニブロ氏が監督した人情劇で、インス氏が「偽りの唇」に次いでエイ・ピー社から発売した作品である。主役は最近フォックス社で大作品「シーバの女王」に主役を演じたベティー・ブライス嬢と、新進若手のロイド・ヒューズ氏で「我れ若し王者なりせば」でファーナム氏の対手をしたベティー・ロス・クラーク嬢も出演する。ウァールド誌の評によると『7巻は些か長きに失するが、母が我が子を助けんと努力するクライマックスにおいては、巧みな場面の運びによって観客は椅子の端へ乗り出して画面に見入るであろう。立派な技巧、美術的な撮影、明確な演技はこの作品の誇るべき点である』--そうである。
ある田舎銀行に勤めていたロバート・シェルドンは都へ出るため職を止めた。彼の母は都にある有名な銀行家ウィリアム・サッチャーへ附手紙をしてやった。サッチャーは実はロバートの父なので、彼が若い時酔った紛れに幼いロバートを我が子でないと罵って妻と子とを棄てて去った男なのである。彼は今法律にこそ触れないが悪い事の数々を犯していた。そしてロバートをその悪事の手先に使おうとした。ヘンリー・ゴッドフリーのために催された宴会の席上ロバートは踊り子ドリー・ウィルスンに逢う。ドリーはロバートを正しき道に立ち戻らせた。ゴッドフリーがサッチャーに欺かれて不利益な取り引きを結ぼうとした時、ロバートは事実をゴッドフリー夫人に打ち明ける。これを知ったサッチャーは憤り、ロバート及び彼の母を散々口汚く罵った。ロバートはサッチャーと格闘した。不意に拳銃が発射されてサッチャーは重傷を負う。彼及び彼の情婦ファンはロバートを犯人だと証言した。公判は開かれ、ロバートは死刑を宣せられる。ドリーは田舎へ行ってロバートの母に事件を話し、2人はニューヨークへ来て唯一の証人なるファンを責めてその偽証なることを自白せしめ、激しい暴風雨の中を真に間一髪でロバートを救うことができた。
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Mrs._Sheldon
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