サーム・ヘン
チャクラ
奴隷労働の実態をフィクションに落とし込んだドラマ。カンボジアの貧しい田舎からタイへ働きに出た14歳のチャクラは、船長が絶対的な権力を持つ漁船で働くことに。第69回ベルリン国際映画祭パノラマ部門、第92回米アカデミー賞外国語映画賞豪代表選出。監督・脚本は、長年奴隷労働の取材を続け、本作が長編デビュー作となるオーストラリア人監督ロッド・ラスジェン。
カンボジアの田舎に暮らす、決して裕福ではない家族。将来を期待されている兄とは違い、労働の担い手としか扱われない自分の境遇に納得がいかない14歳のチャクラ(サーム・ヘン)は、友人から“有給の仕事”を斡旋するというブローカーを紹介してもらう。お金を稼ぐため、誰にも相談することなく、ひとりで家を出たチャクラは、同じ境遇の人々とともに密かに国境を越え、タイに行く。そこでブローカーにより身売りされたチャクラは、他のカンボジア人やビルマ人とともに奴隷として漁船に乗り、劣悪な環境下で労働を強制される。1日22時間魚を捕り、食事は冷めた米飯のみ。陸から遠く離れた船の上で絶対的な権力を持つ船長は、歯向かう者や衰弱した者を見せしめのように拷問し、殺し、海に放り捨てる。逃げ出すこともできず、非人間的な環境と拷問の恐怖に怯えるチャクラの心は摩耗し、人間性は失われ、破壊的な人格が芽生え始める。この船で自由を得るには、暴力で抗うしかない。チャクラは残虐的な暴力によって、この船を乗っ取ることを決意する……。
監督、脚本
製作
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製作総指揮
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共同製作
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