核物理学者チャールズ・マッコンビーと世界各地の同胞たちが、高レベル核廃棄物問題に取り組む姿を撮影したドキュメンタリー。米国ユッカマウンテン、英国セラフィールド、中国ゴビ砂漠、青森県六ヶ所村など世界各地の最終処分場やその候補地を巡る旅を追う。2013年ドイツ・DOKライプチヒ国際映画祭、2014年フィンランド・DocPointヘルシンキ国際ドキュメンタリー映画祭などに正式出品された。
ストーリー
過去60年間に渡り、世界で生み出された高レベル放射性廃棄物は35万トン以上になる。この物質は、人類や環境に害を及ぼさない安全な場所に何千年もの間保管する必要がある。しかし、そのような保管場所はいまだ作られておらず、放射性廃棄物は増え続けている。スコットランド出身でスイスを拠点とする核物理学者であり、世界的に有名な廃棄物処分問題の専門家チャールズ・マッコンビーと世界各地の同胞たちは、この問題を解消するべく、地球上で最も安全な場所を見つけようと苦闘している。この旅ではスイスの人口密集地、中国ゴビ砂漠の遊牧民、放射性廃棄物に汚染されたアメリカ先住民居留地の神聖な山、ドイツのゴアレーベンの森のデモ隊など、世界中の様々な場所で様々な人に出会う。放射性廃棄物を乗せた貨物船がこっそりと日本に到着するところを目撃したり、イギリスの処分場候補地での放射性廃棄物処分に関する集会を見学したりもする。これらすべての地で、理性、民主主義、科学の完全性が、現実的な制約、戦略、恐怖による試練に晒されている。一方、大金と引き換えに最も危険な物質の保管を引き受けようとするニューメキシコ州の市長や、世界中の高レベルの放射性廃棄物の処分場として利用できる可能性のある西オーストラリア州の奥地の広大で平坦な地域を調査する科学者など、魅力的なオプションも本作では示されている。この映画は、もし他に選択肢がないなら地元住民の意思を無視して計画を強行してもいいのか、それは賢明な解決法なのか、現在我々がどのように問題に取り組んでいるかなど、未来の世代に対する我々の責任について様々な問題を提起している。そして、この問題に迅速な解決法はないということを明確にし、凝り固まった考え方に疑念を呈し、最新の取り組みと社会的責任を見せてくれる。
スタッフ
監督、編集
エドガー・ハーゲン
製作
ヘルクリ・ブンディ
製作総指揮
ウルス・オーグストバーガー
撮影
ペーター・インデルガント
音楽
トメク・コルチンスキ
編集
ポール=ミヒャエル・セドラセク
録音
ジャン=ピエール・ゲルト
宣伝美術
追川恵子
日本語字幕