ティム・マッコイ
Tim Dawson
「空中スピード大王」「豪勇キッド」のティム・マッコイが主演する活劇で、「修羅王ジョーンズ」「男性の王者」の監督者ランバート・ヒルヤーが書き下ろした脚本により「空中スピード大王」のオットー・ブラワーが監督し、トム・ミックス西部劇の撮影者だったダニエル・B・クラークが撮影した。助演は「曠野に叫ぶ(1930)」「娘乱暴記」のスー・キャロル、「空中スピード大王」のウィリアム・ベイクウェル、ワード・ボンド、フランシス、マクドナルド等である。
競争自動車の操縦者として米国屈指のティム・ドースンは、ある時主人ターンバーグの息子カールの車を負かしたために首にされた。ターン・バーグの商売敵リーヴスは早速ティムを雇った。しかし、リーヴスの新造車の操縦は弟のビリイに任せて、ティムは背後から応援するだけで満足したのである。リーヴスの娘アンは密かに男らしいティムに恋していたので、ティムの行為に物足りなさを感じていた。ビリイの操縦でリーヴスの車は見事ターンバーグの車に勝った。ビリイは勝利の喜びを担いでアンに求婚するがティムも思っている彼女は断った。ターンバーグはその操縦者ローガンと計り、次の競争の日、事故にかこつけてビリイを殺そうと企んだ。これを勘づいたティムは弟を救い、却ってローガンが垣に衝突した。瀕死の重傷を受けたローガンはティムが自分を故殺したのだと一手絶命した。これを聞いた私立探偵は、ターンバーグに買収され、万一次の競争の際にビリイがターンバーグに勝ちを譲らなければティムを殺人罪で起訴すると、ビリイを脅迫した。当日競争の際、兄の身を気づかってビリイは故意にスピードを落とした。ティムは弟の真意を知り、自ら車に飛び乗って一着の栄冠を占める。一方アンは、死んだローガンの機械工を追求して、ローガンの偽証を告白させ、愛するティムと幸福な新生活へとスタートした。
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