カリプソ歌手、カリプソ・ローズの70歳を記念して2011年に制作されたドキュメンタリー。半世紀以上もカリプソの女王として君臨してきたローズが歌う苦難と栄光の人生を追い、カリプソの背景や、アフロ・カリビアンたちの生き方までも解き明かしていく。監督は、カメルーン出身のパスカル・オボロ。ウィダー国際映画祭2012審査員賞、ワガドゥグ全アフリカ映画祭2013ドキュメンタリー部門銀賞受賞。
ストーリー
カリプソ・ローズは半世紀以上もカリプソの女王として君臨し、西インド諸島の人々に深く愛されているシンガーである。1940年、トバゴ島に生まれたローズは、15歳からギターを片手に作詞作曲をはじめ、800を超える曲を創った。パリ、トリニダード&トバゴ、ニューヨーク、西アフリカのベナン共和国と、音楽の旅を続ける彼女を追いながら、牧師の娘として生まれながらカリプソ・アーティストを志し、男性中心の音楽業界で名を上げるまでの苦労、歌詞に込める思い、そして結婚をしていない理由など、これまで語られることのなかった秘密が明かされていく。ローズ個人の人生を紐解くうちに、トリニダード&トバゴが生んだカリプソとソカの背景や、カーニバル文化の重要性、さらにアメリカやイギリスに移民するアフロ・カリビアンたちの生き方までも理解できるだろう。ナビゲート役はローズ本人が務め、カリプソの大御所マイティ・スパロウや、ローズの開拓した道を歩む人気シンガー、デストラ、カリブ海の名門大学、西インド諸島大学の教授やスティール・パンの研究者、文化省大臣などのコメントが奥行きを持たせている。カリプソ・ローズの魂のドキュメンタリーである本作は、カリブ海と街の色彩、カリプソやレゲエ、スティール・パンの音色が旅情をそそる、カリブの文化や音楽に魅かれる人なら必見の作品である。
キャスト
カリプソ・ローズ
マイティー・スパロー
オルケストル・ポリ=リトゥモ・ド・コトヌー
パトリシア・モハメッド
デストラ・ガルシア
ウィストン”ジプシー“ピーターズ
フェイアン・ライオンズ
デニーズ・プラマー
ダーボ・ウノン
キム・ジョンソン
スタッフ
監督、脚本、編集
パスカル・オボロ
製作
ジャン・ミッシェル・ジベ
製作
フィリップ・ジバス
製作
ティエリー・プラネル
撮影
セルウィン・ヘンリー
撮影
シルヴァン・ヴェルデ
編集
ヤニック・クトゥロン
録音