エドモンド・ロウ
Stanley_Gordon
「オペラの怪人(1925)」等で映画界にもお馴染み深いフランスの探偵小説家ガストン・ルルー氏の戯曲「バラオー」の映画化で、脚色はハリー・O・ホイト氏、監督は「野薔薇」「オール持つ手に」と同じくリチャード・ロッスン氏である。主役は「栄光」「宣伝地獄」等出演のエドモンド・ロウ氏で、それを助演する人々は、新進のリーラ・ハイアムス嬢、「栄光」出演のバリー・ノートン氏、「ドン・ファン(1926)」のグスタフ・フォン・セイファーティッツ氏、「不良老年」のノーマン・トレヴァー氏、力士のジョージ・コツォナロス氏等である。
ウェブスター判事はある夜、娘アンの誕生日の祝にと人を招いた。前検事のエドウィン・パーマーと科学者のポール・コリオロスとが招かれた。が、その夜は次々にと怪しい事件が突発した。パーマーへの死の宣告の手紙が来た。次いで外の嵐は室内に吹き入って燈りを消した。途端に怪しい物の影がうごめいたと見えたが、再び燈りが来た時には既にパーマーの姿が掻き消す如くに失せていた。そしてそこには「パーマーは片附けた、次はウェブスター判事だ」との字が読まれた。ポールは斯うした不詳事が起きたからにはここに居られまいと隣りの巳が邸に人々を招待した。一方、刑事の電話によって先づ新聞記者のスタンリー・ゴードンが、マーフィー探偵の乗物を失敬して駆けつけて来た。スタンリーはアンを一眼見た丈で好きになり、アン一人を呼んで色々と事件を尋ねるのであった。遅れてマーフィーもやってきた。彼は勢い何にかとスタンリーと角突き合いの形をとる様になった。が、そうしたドサクサから、スタンリーは意外な所に地下室のあるのを発見した。そしてそこではある男が、巨きな猿に色々と殺人の法を教へ込んでいるのである。その猿はスタンリーを打ち倒し、判事と並びにアンを地下の密室にと引きずり込んだ。そしてその時、男が刑事に呼びかけた。曾て巳れの大切な息子がウェブスターとパーマーとによって死刑に処せられたことがある、以来数年、機会の到来を待っていた、今やっと時が来た。そう男は云って恐る可き獣物をけしかけた。この男とは誰か?アンと判事は果してどうなるのか?猿はどうなるか?そしてスタンリーは?
Stanley_Gordon
Anne_Webster
Paul_Coriolos
Edwin_Palmer
Judge_Webster
Reginald_Van_Lear
Sam
Detective_Sergeant_Murphy
Chauffeur
Ape
Mrs._Van_Lear
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