監督、撮影
生後すぐ“脳死に近い状態”と宣告された少女・西村帆花ちゃんと家族の日常に密着したドキュメンタリー。母・理佐さんと父・秀勝さんは、常に見守りが必要な帆花ちゃんの世話をしながら、日々を過ごす。やがて帆花ちゃんは、特別支援学校の入学式を迎える。監督は、これがデビュー作となる國友勇吾。
ストーリー
生後すぐ“脳死に近い状態”と宣告された西村帆花ちゃん。母親の理佐さん、父親の秀勝さんと過ごす家族の時間にカメラは寄り添う。常に見守りが必要な帆花ちゃんとの生活は誰にでもできることではない。でも、理佐さんと秀勝さんの2 人にとっては普通のこと。色々な場所に出かけ、絵本を読み聞かせ、お風呂に入れ、吸引をする……。部屋に置かれた介護用ベッドの上に寝ている帆花ちゃんの身体を丁寧に拭き、服を着替えさせる理佐さん。ある日、大学のゲスト講師に招かれた理佐さんは、リモートで講義を行う。テーマは“人のいのちと日本社会”。帆花ちゃんの様子を窺いつつ、理佐さんは、自分の意思で生き、着実に成長している娘について語りかける。産後間もない頃の病院の一室。眠る帆花ちゃんの姿を見守る西村家の人々。間もなくやってくる帰宅の日を心待ちにしながら、理佐さんと父親の秀勝さん、祖父母の胸中を様々な思いが駆け巡る。ケアマネージャーとして多忙な毎日を送る秀勝さんは、帆花ちゃんが生まれてから現在までの生活を振り返り、率直な思いを語る。深夜から明け方にかけて交代で仮眠をとりながら、帆花ちゃんの世話を続ける理佐さんと秀勝さん。どれだけ入念なケアをしても、帆花ちゃんは年に一度は必ず体調を崩し、適切な対応を取らなければ命に関わる。この日も突然の体調の変化で、緊急入院を余儀なくされた。退院した帆花ちゃんの4 歳の誕生日。たくさんのプレゼントに囲まれ、理佐さんと秀勝さんは帆花ちゃんの確かな成長を実感する。やがて帆花ちゃんに幼い頃にはなかった手の動きが見られるようになり、コンピュータの文字入力遊びにも取り組み始める。声の出し方も変わり、それによって親子間のコミュニケーションのあり方も変化したという理佐さん。重要なのは、帆花さんの意思をどう受け止め、尊重していくかということ。やがて帆花ちゃんは、特別支援学校の入学式を迎える。