2022年に没後40年を迎える、20世紀最高のジャズ・ミュージシャンのひとり、セロニアス・モンク。その円熟期の姿が収められた1968年製作のドキュメンタリー2部作の第1作。稀有な才能とカリスマ性によってジャズの概念を変えた天才のミステリアスな素顔と圧倒的な演奏を切り取っている。監督はマイケル・ブラックウッドとクリスチャン・ブラックウッド。第1作目は、1968年のニューヨークのスタジオ収録やアトランタのジャズ・フェスティバルを中心に構成。モンクの断片的なライブ映像は現在もいくつか残っているものの作品はほとんど作られていない。この連作はその決定版であり、クリント・イーストウッドが製作総指揮を務めた『セロニアス・モンク/ストレート・ノー・チェイサー』(1988)にも映像が使用された。ナレーションや過度な装飾を排してステージの熱気を余すところなく伝えるとともに、プライベートにまで肉薄することによって、臨場感をもって謎多き天才の魅力を伝えている。
ストーリー
ジャズ・スタンダードの作曲家として知られ、そのユニークな演奏スタイルにおいてもジャズ史を語るうえで欠かせないピアニスト、セロニアス・モンク。1917年10月10日ノース・キャロライナ州生まれ。1940年にハーレムのクラブでハウス・ピアニストとなり、47年に初のリーダー作を録音。「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」「ブルー・ムンク」などの代表曲は現在でもあらゆるジャズ・シーンで演奏される。本作では、1968年のニューヨークで、自身のカルテット(セロニアス・モンクのピアノ、チャーリー・ラウズのテナー・サックス、ラリー・ゲイルズのベース、ベン・ライリーのドラムス)を率いてヴィレッジヴァンガードやコロムビアレコードのレコーディングスタジオでセッションに臨む姿が収められている。唇に煙草を挟み、汗まみれになりながら激しいパフォーマンスを繰り広げるモンク、そして、いったんステージを降りると人懐っこい笑顔を浮かべ、庇護者のニカ(パノニカ・ドゥ・コーニグズウォーター)やメンバーととりとめもない会話に興じるプライベート映像も収録。また、アメリカのジャズ・プロモーター、ジョージ・ウェインがアトランタで開催したジャズ・フェスティバルに招待されて演奏したパフォーマンスも記録されている。
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作品データ
- 原題
- MONK
- 製作年
- 1968年
- 製作国
- アメリカ
- 配給
- マーメイドフィルム/コピアポア・フィルム
- 初公開日
- 2022年1月14日
- 上映時間
- 58分
- 製作会社
- Michael Blackwood Productions
- ジャンル
- ドキュメンタリー
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