井上百合子
伊藤千代子
長野県出身、東京女子大学で学び、24歳で亡くなった明治・大正・昭和初期の社会運動家、伊藤千代子の生涯を描く劇映画。多くの国民が貧困にあえいでいた軍国主義の日本において、敢然と戦争に反対し、社会の平等と女性の自立を目指して闘ったその勇姿を追う。新人の井上百合子が伊藤千代子を演じ、竹下景子が東京女子大学を創立した教育者の安井てつ、窪塚俊介が伊藤千代子の夫だった浅野晃、金田明夫が歌人の土屋文明を演じたほか、石丸謙二郎、嵐圭史が脇を固めた。原作は藤田廣登の『時代の証言者 伊藤千代子』。企画・プロデュース・監督は長編アニメーション映画「ガラスのうさぎ」、劇映画「アンダンテ 稲の旋律」「ひまわり~沖縄は忘れない あの日の空を~」「校庭に東風吹いて」の桂壮三郎。
100年前、権力に抗った一人の女性がいた。時は明治・大正から昭和初期の激動の時代。天皇を頂点にした帝国主義の日本において、国民は「天皇の臣民」とされ、個人の自由や権利は厳しく制限されていた。長野県に生まれた伊藤千代子は諏訪高等女学校で歌人の土屋文明の薫陶を受け、その後は代用教員の職を得る。だが、貧困や格差を目の当たりにし、もっと学んで広い世界を知りたいと東京女子大学に進学。そこでベーベルの『婦人論』に触れて男女平等の思想を高める。折りしも1925年、稀代の悪法「治安維持法」が公布され、思想言論弾圧はますます激化。千代子は故郷の長野で経験した製糸工場の大争議を通じて、労農党の浅野晃と知り合い、結婚する。その後、日本共産党と共同戦線を組んだ労農党は1928年の第一回普通選挙で2名の当選者を出すほど躍進した。だが、無産政党の台頭に危機感を覚えた支配層は3月15日に大弾圧を加える。世に言う「三・一五事件」である。千代子は検挙され激しい拷問を受けるが、獄中においても侵略戦争に反対し、主権在民、ジェンダー平等を訴え続ける。だが、劣悪な環境のもと同志であり最愛の夫であった浅野晃の転向を知り、千代子の身体と精神は徐々にむしばまれていく。
伊藤千代子
安井てつ
浅野晃
土屋文明
特高
老人
西村櫻東洋
塩沢冨美子
渡辺多恵子
今井久代
平川ふみ
浅野ステ
原菊枝
監督、企画、プロデューサー
脚本、監督補佐
原作
撮影監督
音楽
美術監督
衣装
ヘアメイク
照明
助監督
制作担当
ラインプロデューサー
アシスタントプロデューサー
キャスティング
キャスティング