アーノルド・ジョンソン
パトニー・スウォープ
60年代のアンダーグラウンド・カルチャーの旗手であり、俳優のロバート・ダウニー・ジュニアの父としても知られる故ロバート・ダウニーが1969年に製作した代表作のデジタル・レストア・バージョンが、50年の時を経て日本で劇場初公開。広告会社で実験的なコマーシャルを作っていたロバート・ダウニーらしく、独自性のある過激なユーモアで世の中のあらゆる欺瞞を風刺する先鋭的な映画だったが、アメリカン・ニューシネマの到来に沸く映画界にあっても、時代の先を行き過ぎた本作の過激さを受け入れられず、評価は分かれた。しかし今や、ジム・ジャームッシュ、ポール・トーマス・アンダーソンなど多くの映画作家に影響を与えたとしてリスペクトされている。本編は白黒作品だが、映画の見どころの一つである数々のユニークなテレビ・コマーシャルはカラー映像となっている。主人公のパトニー・スウォープを演じるのは本作が映画デビューとなるアーノルド・ジョンソン。ただし声はダウニー自身によって吹き替えられた。多様性、BLM(ブラック・ライブズ・マター)運動などが声高に叫ばれる現代に伝説の映画が蘇る。
1960年代のニューヨーク。マディソン・アベニューにある名門広告会社の創業者が突然亡くなり、会社の唯一の黒人役員(といっても楽曲担当)であるパトニー・スウォープが予想外の結果によって新社長に選出される。早速、スウォープは会社の名前を「ソウル&トゥルース」に変更し、ほぼすべての白人役員を解雇、嘘とハッタリに固められた商業言説の粉砕を画策する。その破壊的で奇抜で斬新だが悪趣味ともいえる過激な広告キャンペーンは、次々とヒット商品を生み出し、会社は新たな成功へと飛躍する。そんななか、ミミオ大統領に呼び出されたスウォープは、酒、タバコ、戦争玩具のCMを拒否するのは国家安全保障への脅威であると脅される。スウォープは大統領の圧力に屈しているような振る舞いを見せるが……。
パトニー・スウォープ
Mrs. Swope
Putney's Bodyguard
The Arab
Man in White Suit
Mr. Borman Six
監督、脚本、企画
撮影
音楽
美術
編集
衣裳デザイン
スタイリスト
照明
照明
録音
キャスティング
整音