バーバラ・ローデン
ワンダ・ゴロンスキー
1970年にヴェネツィア国際映画祭最優秀外国映画賞を受賞しながらも、本国アメリカでは黙殺され、近年評価が高まっているバーバラ・ローデン監督・脚本・主演のデビュー作にして遺作。ペンシルベニア州に住む炭鉱の妻が離婚の末に盗難に遭い、人生の崖っぷちを彷徨うロードムービー。70年代アメリカ・インディペンデント映画の道筋を開いたと称される粒子の粗い16mmフィルムの質感はティファニーブルーを基調に、シネマ・ヴェリテ・スタイル(ドキュメンタリー撮影手法)で剥き出しのアメリカの風景をスクリーンに映し出す。マルグリット・デュラスはこの映画を「奇蹟」と絶賛、その想いを継いだイザベル・ユペールが配給権を取得し、フランスで蘇らせた。巨匠監督エリア・カザンの妻でもあったローデンは、彼からの独立宣言とも言うべき本作を残し、癌によって1980年に48歳の生涯を終える。ジョン・カサヴェテス、マーティン・スコセッシ、ジョン・レノン、オノ・ヨーコ、ジョン・ウォーターズ、ケリー・ライカート、ソフィア・コップラ、ダルデンヌ兄弟らが映画を絶賛。2017年、アメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録された。
ペンシルベニアの炭鉱町に住むワンダは、自分の居場所を見つけられずにいる主婦。知人の老人を訪ね、お金を貸してほしいと頼んだワンダはバスに乗り込み、夫との離婚審問に遅れて出廷する。タバコを吸いヘアカーラーをつけたまま現れたワンダは、夫の希望通りあっさりと離婚を認め退出する。街を漂うワンダはバーでビールをおごってくれた客とモーテルへ。ワンダが寝ている間、逃げるように部屋を出ようとした男の車に無理矢理乗り込む。だが、途中ソフトクリームを買いに降りたところで逃げられてしまう。またフラフラと夜の街を彷徨い歩き、一軒の寂れたバーでMr.デニスと名乗る小悪党と知り合う。翌朝、新聞を読み、彼が強盗犯だと気付くが一緒にいたほうが楽だと思い、言われるがまま、犯罪計画を手伝うハメになるが……。
ワンダ・ゴロンスキー
Mr.デニス(ノーマン・デニス)
Wanda's Sister
Brother in Law
Husband
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