ウォーレス・リード
Bayne
若い米国の飛行家ベインは大戦始まるや祖国を後に、フランス軍に参加する準備をする。出発に先だち彼は怪漢が彼のトランクに手を掛けているのを発見したが、紛失した物もないのでこれを見逃した。船中で彼はエスム・ファルコーナーという娘と、娘を常に監視している人相の悪いジエンキンスに逢う。ジエンキンスは娘は独探だと言うがベインはこれを信じない。上陸する時荷物検査の際意外にもベインのトランクから独探フォン・ブレンハイムに奪われた米軍の秘密書類が発見された。しかし米政府の身分証明書があったのでベインは許される。途中立寄った仏国の旅館で彼は再びエスムに逢う。エスムは彼に自分の使命を語るのを拒んだ。その夜エスムの運転手が殺されていた。ベインはその代わりとなって娘をその邸まで送り届けようとしたが、2人はジエンキンス及び仏国将校に変装した怪漢3人に追跡される。彼等は娘に義兄なる飛行家「螢」が所持している設計図を渡せと要求した。ベインは身を隠していた「螢」に説いて偽りの図面を手に入れ、これをジエンキンスに渡す。ジエンキンスとは真は独探フォン・ブレンハイムであった。勇気と機智とによってベインは彼等一味を捕え、仏国の十字勲章と、美しい娘エスムを克ち得たのであった。
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